連載ブログ 富士山麓通信

草むしり

2012年07月11日

梅雨の晴れ間を待って、里で借りている畑に足を運びました。忙しさにかまけて放ったらかしにしたままで、「雑草」が伸びているだろうと気になっていたのです。
「雑草という名前の草はない」と言われたのは、植物学者でもあった昭和天皇でした。たしかにその通り。ひとつひとつの草花には歴とした名前があり(こちらが知らないだけ)、よく見ると可憐な花をつけ、それぞれが自分の場所で精一杯生きています。 そうと知りつつ、畑や庭では自分が欲しいものだけを残し、それ以外の草花は「雑草」として抜いてしまう。身勝手だとは思いますが、放っておけば畑も庭も雑草におおわれてしまうので、止むを得ません。

久しぶりに行ってみて、びっくり。ウチの区画だけが、まるで雑草のジャングルです。周囲の方たちは、さぞかし眉をひそめていたことでしょう。
早速、作業開始。雨上がりの朝は、まだ土が湿っていて、根を張った雑草もわりと楽に抜くことができます。

放っておかれたのに、けなげに花をつけていたじゃが芋。

雑草と格闘すること2時間以上。やっと土が見えてきました。「大事なことは風と水の通り道をつくること」とは、真面目に家庭菜園をやっている友人の言葉。風も水も通らないような状態で、よくぞ生き抜いてくれたと、野菜たちに感謝するばかりです。

やっと風の通り道ができた、とうもろこし畑。

葉っぱばかりが育っていた大根は、間引いてやります。

こちらは、他の区画で丹精込められて実ったズッキーニ。

貸農園の畑で一仕事終えて帰ってきたら、服も長靴も泥だらけ。ついでに、裏庭の畑の草むしりもすることにしました。
こちらは、手抜きしながらも少しは目が届くので、里の畑に比べるとずっとマシ。きゅうりやトマトは花が咲き、紫蘇やハーブは葉が茂り、ほうれん草は間引きの時期に来ています。

左:庭の畑のトマトの花。
右:花の先っぽに、キュウリの赤ちゃん。

庭の畑で、てんとう虫とバッタの赤ちゃんを見つけました。土の中には、ミミズも。猫の額のように小さな畑ですが、いろんな命が息づいています。

ついでに、庭の草むしりも。と欲を出して始めたものの、こちらは畑のように簡単ではありません。根を張って抜きにくいものや棘のあるものなど、手ごわい相手が多いのです。「雑草のようにたくましく」とはよく言ったもので、その生命力は、すごいものがあります。
その上、野イチゴや蕗(ふき)のほか、薬草茶用のドクダミ、オオバコなど、「雑草」扱いせずに残しておきたいものも、たくさん。抜けるものの方が少ないのです。

左:野イチゴの先頭を切って色づくモミジイチゴ。
右:ジャムにする赤い野イチゴは、花が咲いたところ。

庭だけで2時間近く草むしりをしたのに、見た目はほとんど変化なし。とりあえず、風と水の通り道をつくったということで満足するしかなさそうです。

抜き終えたのは手前だけ。丸太のむこうは、またの日の宿題に。

櫻の大木の下に咲く白い花は、野バラ。自分で植えた記憶はありませんが、大きく育ってきました。

階段下に生えた野生の蕗(ふき)。時々間引きながら「おかず」にします。

庭で採れる蕗は、お店で買うものに比べて細身ですが、香りは抜群。

見た目の変化はないものの、足腰が痛くなってきたので、草むしりはおしまい。この日の夕食には、間引きした大根とほうれん草の新鮮サラダが並びました。(一方で、この後3日ばかり筋肉痛に悩まされるというオマケ付き…)

間引き大根の千六本に畑の紫蘇を加えて、さっぱりサラダに。

間引きほうれん草と干しエビのサラダ。

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    M.Tさん

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