連載ブログ 富士山麓通信

手作りアイス

2012年09月19日

今年の残暑は、高原にも波及しています。例年なら秋風が立って、夜は火の気が恋しくなる時季なのに、まだ夏の気分が抜けません。日中は冷たいものが欲しくなることもしばしば。というわけで、アイスクリームを作ることにしました。基本の材料は卵と生クリームとお砂糖だけ。卵と牛乳を味わう、とてもシンプルなアイスです。

アイスクリームを手作りしようとすると、おおかたのレシピには「凍らせる途中で何回か、かき混ぜる」とあります。不精者の私にはそこがネックで、手作りすればおいしいとわかっていながら、ずっと知らんぷりで通していました。
ところが、10年以上前、何かの本( いまや本の題名すら忘れてしまいました )に「途中でかき混ぜなくてよい」と明言したアイスが出ていたのです。そうと知ったら、やるしかありません。実際に作ってみると「えッ、たったこれだけでいいの?」と拍子抜けするくらい簡単でした。

レシピの控えもなく、材料の正確な分量はちょっと自信がないのですが、わが家で作るのは、おおよそ次の通りです。

  • ●材料:卵3個、生クリーム200㏄、砂糖100g
  • ●作り方:
  • 1.卵は卵白と卵黄に分け、それぞれ別の容器で泡立てる(写真①②)
  • 2.卵黄に砂糖を加え、さらに泡立てる(写真③)
  • 3.生クリームを別の容器で泡立てる(写真④)
  • 4.1~3をひとつの容器に入れ、一緒に泡立てる(写真⑤)
  • 5.容器に入れて、冷やし固める(写真⑥)

手順は、たったこれだけです。

手順4と5の間でバニラエッセンスを加えれば、定番のバニラアイス。地元の道の駅で買ったブルーベリーを飾りました。

この作り方でいくと、なぜ途中でかき混ぜなくて済むのか…そこのところのリクツは、いまだに解明されていないままです。材料を別々に泡立てるところがミソなのかもしれません。リクツはともかく、簡単でおいしいものができるならいいや、というわけで作り続けているアイスです。

あまりにも簡単なので、定番のバニラアイスに加えて、毎回、味のバリエーションを楽しみます。今回は、夏に摘んだ野いちごで作ったジャムを混ぜ込んで、「いちごアイス」に仕立ててみました。

トッピングに飾ったのは畑で育てたハーブです。
左:アイスクリームに入れた野いちごジャム 右:ジャムのもとになる野いちごの実

何年か前、桑の実でジャムを作った年は、それを入れたこともあります。そのときは、ジャムは赤ワイン色なのに、冷えて固まるとクリーム部分がミントグリーンに変化して、びっくり。お客さまに食べてもらったところ、十人が十人、その色の正体を当てられませんでした。自然の起こす化学反応は、人間の想像を超えているものですね。

塗りのお椀に盛り付けると、また気分が変わります。

野いちごジャムは遠く離れたお友だちにもお裾分けできますが、アイスだけはそういうわけにもいきません。「簡単だから、作ってみてね」と言いふらしているのですが、さて、何人の友人が作ったことやら…。
これからの季節、あたためた部屋で冷たいアイスを食べるのも、ちょっとしたぜいたくです。小さな子どもと一緒に作っても楽しめますので、ぜひ、お試しください。ちなみにわが家では、大きくなった息子が、いまだにアイスクリーム作りは手伝ってくれます。

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    M.Tさん

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