連載ブログ くりかえし原点、くりかえし未来。

ひねられて毛糸玉、そして編みへ。

2012年09月28日

緒方さんに原毛を渡し、紡ぎと編みの作業へ。
やはり刈ったままの毛は、
生きている動物の汚れをまとっているので、
毛糸洗い専用の洗剤で洗ってみたそうだ。
すると艶が出てきて、作業性もよくなったとのこと。
これを紡いでいくことで、まんまの繊維は、
手紡ぎの味をたたえたアルパカの色の毛糸玉になる。
ここからは気の遠くなる編みの作業である。
セーターは丸首のスタンダードなかたちをお願いしている。
毛を刈られたアルパカの姿が脳裏に浮かぶ。
原毛は、ひねられて毛糸になり、編まれて平面になる。

紡ぐ前の原毛。特殊な櫛で少し細かくほぐす(手前)

  • 洗った後、やや艶の出た繊維
  • 紡がれた毛糸玉にまとまっていく

編まれ始めたセーター。ふわりと柔らかいのがアルパカの特徴

  • プロフィール 原 研哉
    グラフィックデザイナー/武藏野美術大学教授。デザイナーとしての豊富な実践に加え、デザインを社会構想に並立させ、産業ヴィジョンの具体的な立案とその可視化に注力している。一方でコミュニケーションをやわらかくとらえ、理解や記憶を自然に成立させていく道筋を、デザインを通して探求している。

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