見渡す限り山々や田んぼが広がり、その大自然のなかで日本の四季の変化を色濃く感じられる場所が、秋田県です。そして、その景色を一変させるのが冬。人の背丈を超えるほどの積雪で、あたりはまさに白一色の世界となります。厳しい寒さを幾度も乗り越えてきている秋田の人の暮らしに、「白」の世界を生きる人々ならではの食や伝統が根付いているのです。

白い肌の秋田美人、白く輝くあきたこまち、日本三大うどんの稲庭うどん、白濁の名湯・乳頭温泉、世界遺産の白神山地など、秋田のめくるめく「白」の世界はどこまでも広がり、人々を魅了します。

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男前大国、秋田

秋田県北秋田市阿仁地域、ここはマタギの里です。
冬の森吉山に行き、目を閉じて耳を澄ますとどこか遠くの方から「パーーーン！」という音が聞こえます。太古の昔より男に課せられた重要な本能、 "狩り" を生業にする狩猟集団「マタギ」がその仕事をしている音です。

マタギとは、1年のうちの5ヶ月もの間を雪で閉ざされるこの過酷な地域で、深い森にわけ入り、集団で熊や野生の生き物を得る狩人のことを言います。 山の厳格な掟を守り、獲物を狩る。これぞ、日本人が忘れてしまった本来の男前の姿なのです。

秋田の男達は無口で温厚だと言われますが、実は、マタギのように獲物を虎視眈々と狙っているだけなのもしれません。

自然とロマン

8000年前から手付かずで残る日本初の世界遺産「白神山地」には、世界最大のブナ原生林が広がっています。太古からの景色をそのまま受け継いできた場所こそが、秋田なのです。ここには、 12000年前の縄文時代の生活に思いを巡らせることのできる遺跡も多く、歴史の深さを感じます。

なまはげやかまくらなどの有名なものから、番楽と呼ばれる、知る人ぞ知る迫力の山伏神楽と、国重要無形民族文化財が全国で一番多く登録されているのも秋田県です。少し目を向けるだけで、深い歴史に触れることができるのも、秋田の魅力のひとつです。

秋田県北秋田市の暮らしと食と地域を見つめる

「これからの田舎と都会 北秋田」では、秋田県北秋田市の暮らしと食と地域をみつめ、四季折々の魅力をお伝えしていきます。雪国が持つ特有の自然の中の暮らしから育んできた、魅力的で独特な農耕や狩猟の文化。1年をとおして継続的にみつめることで、その魅力をひもとき、地域の未来をみなさんと一緒に考えていきたいと思います。