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【5月16、17日】生産者と暮らしに出会う旅 vol.02

2015年04月08日

このコラムで紹介している素敵な生産者や、ていねいに暮らしを作っている島の人々に出会って欲しい。そして、旅行とはまた違う、島に住む人たちとだからこそ見える景色を見て欲しい。そんな願いからはじまったシリーズ『生産者と暮らしに出会う旅』。前回はオリーブ農家さんの元を訪れ、収穫後その場で搾油し、次の日オーガニック農園で収穫した野菜とともに頂くという、贅沢体験をしました。

さて、第2弾となる今回は、海の青さが際立ち幸せな気分満開になる5月!無農薬オリーブ茶畑で茶摘みをして摘みたてのお茶を嗜んだり、島のお料理上手なおばあちゃんのおうちで春らしいお料理を習ったり……。今回も、島で暮らす中で見つけた魅力を写真で発信する7人の女性グループ「小豆島カメラ」が、ここでしか、そして今しかできない貴重な体験を企画しました。

みんなが、より自然なものを食べられるように

ツアー1日目にお世話になるのは、昭和7年創業の『ヤマヒサ』さん。昭和46年以降、いち早く「オーガニック」の原料や国産の丸大豆にこだわったお醤油を造りはじめ、平成元年には自社でオリーブ栽培もはじめるなど、常にチャレンジし続ける革新的なお醤油屋さんです。

「コカコーラをぐびっと飲みながらボウリングをする。そんな感じの時代でしたから、当時はオーガニックとかあまり浸透していませんでしたね。ただ、私もこの生き方が人間としてちょっと違うんじゃないかって、何となく心の隅では思っていたんだと思います。オーガニック原料で醤油を造って欲しいと言われたときに、『それじゃあやってみよう』と、すぐに取りかかりました」

そう話すのは、ヤマヒサ会長である植松勝太郎さん。取り組み始めたらとことん追究する植松さんは、日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会の理事を20年務めたと言います。「皆さんがより自然なものが食べられるように」。そんな気持ちで国内産にこだわり、農薬も化学肥科も一切使っていないものや、有機JAS認定のものなどを原料として醤油造りをしています。

ツアーで訪れる5月は、有形文化財に登録されている蔵の木桶で仕込むお醤油もちょうど発酵が活発な時期なので、蔵からはプチプチと発酵している音が聞こえるかもしれません。

無農薬オリーブ茶畑で茶摘みを

小豆島の特産と言えば、このコラムでも紹介した醤油、佃煮、素麺。そして最近はオリーブも加わりました。ヤマヒサでは、平成元年からオリーブの自社栽培も手掛けるようになりました。「私たちがオリーブの自社栽培をはじめたころは、本数がそれほど多くなかったんです。特産と言えるほど、もっとオリーブを増やしていこうというのが最初のモチベーションでしたね」。

そして調べていくうちに、オリーブの葉にはポリフェノール、カルシウム、鉄分、ビタミンEなどが多く含まれ、生活習慣病を予防する力もあることが分かってきたそう。「そういうことだったら、葉も使わないともったいないと思い、お茶にしてみようと思ったんです」。そして、化学肥料や農薬を使わずに、良い成分だけしっかりととれるようなお茶作りを開始しました。オリーブの葉は、摘んでから時間が経つとどうしても色が変色してしまい、お湯でそのまま煮だしても綺麗なグリーンにはなりません。温度や蒸し時間などを研究し、特許技術でグリーンが鮮やかな無農薬オリーブ茶が完成したのです。

それだけではなく、剪定した枝から葉を摘み、肉質がむっちりとしていて透明度も高い「オリーブハマチ」の飼料づくりも手掛けていらっしゃいます。

今回は、「安心できて美味しいものを届けたい」という思いで常にチャレンジし続けるヤマヒサさんと無農薬オリーブ茶畑で茶摘み。そして、ほろ苦さと爽やかな後味が特徴的な、まさに初夏のような味がする新茶を楽しみましょう!

地元の素材を使った料理の先生は、おばあちゃん!

宿泊は、小豆島カメラの一人が働くベイリゾートホテル小豆島。すっきりと海が見渡せる展望露天風呂が魅力的なお宿です。そして向かえる2日目。2日目は、第1弾でも訪れた「魚伝」さんに行き、新鮮なお魚を調達します。お魚のことを色々聞くと、たっくさん楽しそうに教えてくれるのは何よりの魅力。鮮度抜群の魚を、買い付けに来たシェフたちに混じって調達しましょう。「東京の人が来ると、この鮮度とここでしかとれない魚の種類に驚くんだ」。カラッと笑うお店の人が愉快な魚伝さんは、やはりまた足を伸ばしたくなる場所です。

魚や野菜を持って訪れるのは、このコラムでもおなじみ、お料理上手で上品な高橋さん! 友人と高橋さんの元を訪れると、いつも恋愛トークなんかで盛り上がってしまうほど、ジェネレーションを感じさせない若々しさのおばあちゃん。お料理スタジオのようなお家でたまに開催される高橋さんのお料理教室は、いつだって大人気。

「適当でいいですからね」。そう楽しそうに話す高橋さんに教わるお料理は、優しい味がします。iPadにカメラにパソコンに、新しいことに好奇心を持ってチャレンジしていく柔軟な高橋さんは、お料理を教えるときにも「こうしなきゃだめ」ということは一切言いません。コツは教えてくれるけど、好きにやったら良い。そんな高橋さんのしなやかさにも触れられます。高橋さんが愛用する接ぎ木で作られた美しい箱鮨メーカーを使って箱鮨を教えてもらい、島の味を堪能しましょう。

今回も、島の魅力にたっぷり触れられる2日間になること間違いなしです!

小豆島カメラ企画「生産者と暮らしに出会う旅 vol.2」

開催日:
2015年5月16日(土)、17日(日)※1泊2日
参加費:
税込21,600円(1泊2食つき)
定員:
15名様(定員になり次第、締め切ります)
※最小催行人数13人
服装・持ち物:
汚れてもいい服、靴(スニーカー)、軍手、防寒具など
主催:
小豆島ツアーズ
申込方法:
電話・Mailにて予約を受け付けます。
ツアー催行中は電話に出られない場合がございます。
(電話)0879-62-9881
(Mail)info@shodoshima-tours.jp
(URL)小豆島ツアーズWEBサイト
※お問い合わせは、小豆島ツアーズまでご連絡ください。
宿泊場所:
ベイリゾートホテル小豆島(1泊2食)
〒761-4422 香川県小豆郡小豆島町古江乙16-3 (TEL)0879-82-5000
(URL)ベイリゾートホテル小豆島
その他:
現地までの集合、解散後の交通費については自己負担となります。
  • プロフィール 中村優
    台所研究家。料理は国籍や年齢を超えて人を笑顔にするとの信念のもと、家庭料理を学びながら世界を放浪旅した後、料理・編集の素敵な師匠たちに弟子入り。最近は、ロックなおばあちゃんたちのクリエイティブレシピを世界中で集めている。

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