連載ブログ 音をたずねて

タンゴの色気とボカ地区

2011年09月07日

ブエノス・アイレスと言えばアルゼンチン・タンゴ発祥の地。ブエノス・アイレスの旧港があるボカ地区で約130年前に生まれました。
タンゴはスペインやイタリア移民の貧しい港湾労務者たちが鬱憤晴らしに男同士で踊っていたものに娼婦が加わり、男女の踊りが完成したようです。タンゴ・ダンスというと一般的にはかなり派手であまり上品とは言えない衣装が特徴ですが、発祥の謂われを聞いて納得しました。官能的で反社会的な雰囲気がタンゴの魅力になっている理由がわかりました。

さっそくボカ地区に行きました

ボカ地区は今では観光地として、当時の面影を残しながら明るい雰囲気で観光客たちが行き来しています。たぶんタンゴ発祥当時はこうやって歩くこともままならない、危ない場所だったのではないかと想像してしまいました。街にはタンゴを踊る人、絵を描く人、バンドネオンを弾いている人と沢山の人達が思い思いのパフォーマンスをしています。

移民船が展示繋留されています

タンゴの発祥当時の楽器編成はギターにフルート、バイオリンだったようです。その後ドイツから来たバンドネオンに代わり、このスタイルが一般的になりました。バンドネオンはアコーディオンを小さくしたような楽器ですが、大きな違いはアコーディオンのように、鍵盤がピアノのような形ではなく、ボタン型をしています。最近日本ではあまり見かけませんが、アコーディオンは世界中のトラッド・ミュージックではとても広く使われています。

ボカ地区のレストラン。ダンスのショーをやっています。ショー付き、ステーキランチ付きで1,000円程度でした。

このステーキが抜群に美味しかった。左は椎茸のスープ。野菜もちゃんとした味がしました。

余談ですが、日本のショー付きレストランの料理は総じて不味いと相場は決まっていますが、ボカのレストラン料理はとても美味しかったです。機会があったらまた食べたいと思います。ダンサー、演奏家、食事すべてが大満足。すばらしいホスピタリティに驚きました。それと牛肉ですが、アルゼンチンでは日本のように霜降り肉はほとんど見かけませんでした。ドイツ、ハンブルグを経由してアルゼンチンに入ったのですが、ハンブルグで食べた美味しいステーキも、なんとアルゼンチン産だとコックが自慢していたほどおいしさは有名のようです。赤身の肉ですが柔らかく、肉のうまみがあって、その上とても安く、肉屋で買えば牛肉100g,100円程度です。物価の違いがありますが、ウエーターの時給が250円だそうですので4倍すれば日本の物価にほぼなると思います。

タンゴの古いレコード

話はもどって、タンゴといえば ♪ラ・クンパルシータ ♪黒い瞳 ♪カミニートが有名ですがタンゴにはいくつものリズム・パターンがありそれぞれが素敵です。僕はミロンガベースの曲が好きです。「ミロンガ・センチメンタル」や「ミロンガ・トリステ」などが有名です。タンゴの名曲を集めた名盤がいくつも出ていますので機会があったら是非聞いてください。最近ではタンゴ・モダルノというモダンなアレンジで軽いものもあるのでお勧めです。今回は無印良品流オリジナル・タンゴ・モダルノを収録してきました。スライド・ショー「ブエノス・アイレス 1」をよろしかったら、おご覧ください。
ブログ右上にございます。

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    Y.Iさん

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