シードルというリンゴの発泡酒
地元ではガレットにはシードルというリンゴで作った発泡酒を飲みます。だいぶ前に日本で流行ったシードルがブルターニュの名産であったとは知りませんでした。ましてガレットにシードルという組み合わせが地元では一番親しまれていることも初めて知りました。ブルターニュとノルマンディはシードルで有名なフランスの中でも特に名産地として名前が通っているようです。
シードル・ボールと呼ばれる陶器製の器で飲みます
フランスというとワインを思い浮かべますがフランス北西部のブルターニュはリンゴの産地でもあり古くからシードル作りが盛んな土地でもありました。庭にリンゴの木を植え、自家製のシードルを作るご家庭も多くあるようです。日本のどぶろくのようですね。フランス語でCidre(シードル)と呼びますが英語ではCider(サイダー)、スペインではSidra(シードラ)と呼ばれます。その他にもドイツやスエーデン、北米にも同じようなリンゴ酒があります。英語表記のサイダーが日本人には一番馴染みの良いように思います。シードルは低いですがアルコールを含んでいます。このシードルを蒸留してアルコールを強くしたのがカルバドスというお酒です。
さっそくシードルをオーダーしました
それではということで、シードルを頼むと写真のポットに入って出てきます。かなり沢山入っていました。皆が持っている湯飲みのようなシードル・ボールで飲みます。豊潤なリンゴの香りして、少し甘くとても飲みやすい飲み物でした。ほぼ常温に近くお腹にも優しそうでした。お店によって味が違うみたいですので人気のクレープリーになるためにはシードルの味がとても大切な要素であることがわかりました。
クレープリーは地元の人が集う場所
店内の風景
二度目にお邪魔した時、我々が最初のお客でしたので店内を撮影させて頂きました。年代物の木のテーブルとイス、壁にはカンペール特産の陶器と民族衣装を着た古い写真が飾ってあります。気取らない温かな雰囲気がとても素敵でした。こういったクレープリーで、気のあった仲間が、ガレットをつまみながらシードルを飲み、会話を楽しむのがブルターニュ地方のスタイルのようです。
我々のテーブルを担当してくださった素敵なセルヴーズ
予想通り、あっという間に店が満員になってしまいました。店内は若い2人のスタッフがきびきびと動き回っていました。トーマスさんと顔見知りだったようですので、地元の若者なのかもしれません。素材や料理、スタッフの対応、店のしつらえ、どれをとっても最高なお店でした。お店のお客さんを拝見していると、やはり地元の方が圧倒的に多いようです。音楽もそうですが、地元の伝統に裏打ちされた日常の中にある文化の気持ちよさを再認識いたしました。素敵なお店に案内してくれたトーマスさんと我々を受け入れてくれたお店に感謝です。今回の旅は観光では入れないと思われる場所に、皆さんが案内してくださいました。そういう意味ではとてもドキドキする旅でもありました。次回は街から離れ、ケルトの史跡を巡ります。どうぞお楽しみに。