連載ブログ 音をたずねて

合間をぬっておみやげ調達

2013年03月20日

撮影のために4日間滞在したカンペールとも今日でお別れです。昼食後は今回のレコーディングスタジオのあるブレストに移動します。ブレストはここから北に65kmほどのところにあります。車で1時間半くらいの距離です。ブレストでは殆ど時間がない予定なので、今日は出発までの合間を縫っておみやげを調達することになりました。荷物をパッキングして出発までは2時間弱。昨晩徘徊して探した気になる店を目指します。まずは地図で確認。それほど広くない街なので徒歩でまわります。

ホテルから大聖堂を目指して旧市街に向かうスタッフ。あまり時間がなく、よく下見も出来なかったのであてずっぽうの買い物ゲームのようになりました。

カンペール旧市街地

旧市街地は店がオープンしたばかりの時間ですが結構な賑わいでした。

路上のワゴンに出された可愛いケース

まず目に止まったのは可愛いブリキ缶でした。ポップにGalettes Pur Beurre 8€と書かれていましたので、ガレットのバター味と言うことになるのですが、サンプル商品が見当たりません。店で聞けばわかるとおもいましたが、今日はフランス語が話せるスタッフがいない事とこの品はかさばるとの判断から次に行くことにしました。ガレットは丸く薄いという意味ですのでたぶんバター味のクッキーと推測しました。

次はブルターニュ産サーディンの缶詰

缶詰屋さんです

女性陣が可愛いお店を見つけました。ショーウインドウにはカラフルに意匠を凝らした缶詰のようなものが並んでいました。

陳列棚はすべて缶詰です

中に入ってみるとカラフルな缶詰がびっしりと壁面展示されていました。よく流通業で使う展示手法「集積展示」という方法なのですが、同じような形状で小さくカラフルな缶詰の展示方法として、存在感と鮮度を演出できるとても良い方法だと思いました。

手作業でサーディンを処理しています

壁に目をやると鰯の尾や頭を落とす缶詰行程を手作業でやっている写真が飾られていました。この数日感じた丁寧で職人を大切にする、手間を惜しまない土地柄が感じられとても好感のもてる表現でした。ブルターニュ地方は昔から鰯漁が盛んで最盛時には120もの鰯(サーディン)の缶詰め工場があったそうです。今では50ほどになってしまったようですが、世界各地に輸出されているそうです。缶詰というとすべてオートメーションで作られた安易なものと考えますが、こう言った作業写真を拝見するとお土産に値する価値のあるものだと気づかされます。

様々な味付けのサーディン

店内はさまざまな味付けのサーディンの缶詰がところ狭しと並んでいました。それぞれがかわいらしいデザインの缶に入っており5個、10個とパックになっています。
少し重たい荷物になりますが、ポスター効果か数多い種類の中から全員がそれぞれの好みでかなりの量を買い求めました。

バスク布に匹敵する打ち込みの良い布

数件隣のショップ

次は数件隣のカンペールの陶器皿が並んでいる店に入りました。中に入ると皿よりも目をひいたのがテーブルクロスでした。

壁一面に下がったテーブルクロス

壁から下がったテーブルクロスとその前にはランチョンマットやキッチンクロスなど様々な綿製品が並んでいました。この手の商品はバスク産が有名ですが、値段を見てみるとバスク布の半分程度でした。手にとって見るとバスク布と同じように軟らかく上質な手触りで、堅くよった綿糸をしっかりと打ち込んだ高密度な布を使用していました。バスク布はその構造からワインやバルサミコなどでシミをつくっても60度以上のお湯で洗うとほとんど跡が残らないくらいきれいになります。この布も同じような効果があると思いました。さすがにヨーロッパの文化、土産には大変良さそうな品でしたので、さっそくランチョンマットを買い求めました。テーブルクロスを買ったスタッフもおりました。

自由行動がうれしそうな女性組です

二つのお店でかなり時間を使ってしまったので、これ以降はそれぞれ別行動で動くことになりました。男性組は殆ど買い物が終わったので街をぶらぶらすることにして女性組とは別れました。

レジスタンスの英雄ジャン・ムーラン

買った帽子をかぶり銅像の前でポーズをとるCDの新村さん

途中帽子屋により帽子を購入したクリエイティブ・ディレクターの新村さんと歩いていると、街角に銅像があることに気がつきました。近寄って見ると第二次世界大戦初期のフランス・レジスタンス活動の英雄ジャン・ムーランの銅像でした。フランス全国抵抗評議会を創設した歴史に残る英雄です。マックス・ジャコブとの親交も厚く、自分でも絵を描く美術愛好家としても有名です。買った帽子と同じ形の帽子をかぶっている時に、偶然にも同じ美術を愛する英雄と出会えた新村さんが記念撮影をしました。ADCの会員でもあり、MUJI BGM CDのジャケットを当初から手がけ、様々な方面で活躍する商業デザイナー新村さんのひょうきんな一面です。

疲れ果てて集合場所に集合した面々

それぞれ思い思いに留守を託した家族へのおみやげを買ったようです。明日からはレコーディング本番が始まります。最終日までまったく休みなく息の抜けない四日間が始まります。海外ロケはやり直しがきかない仕事なので買い物をしながらも仕事のことを考えているように思います。ホテルにもどり明日からのレコーディングの無事を祈りながらブレストへの移動を開始しました。次回は移動したブレストの様子をお伝え致します。カンペールとまったく違う軍港の街です。どうぞお楽しみに。

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    Y.Iさん

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