研究テーマ

くらしの中の発見

「こんないいもの、みーつけた」
私たちはこどもの頃から、発見の喜びをひとに伝えています。
ひと(他人)が気づかなかったり、知らなかったものを自分が見つけた喜び、そしてそれを知らせることの喜びと。二重の喜びが「発見」にはあるようです。

ここでは、生活を楽しくしてくれるモノや道具の発見などをめぐって、話を進めてみたいと思います。
ストリートには新製品、中古品、民芸・骨董などなど、あらゆる方向から生活をみたすモノがあふれていて、私たちは常にモノ選びの基準を考えさせられます。
どのような感じのものがどのような理由で求められるのか。答えは選ぶ人のライフスタイルにぴったり合うもの。それが発見の喜びにつながるものなのだと思います。

無印良品でも、世界各国の生活に学びつつ、"発見の旅"を試みてきた歴史があります。そのような旅で見出すモノの基準は、皆さまと共通しているかもしれません。
たとえば、生活の中でずっと使われてきたのに、今はあまり目にふれなくなったもの、ある地方や国ではあたりまえに使っているけれど、他所の土地では知られてないものなど。
それらが共通して持っているのは、どこか懐かしい感覚、昔からずっとあったような感覚で、多くの場合はそのものがのみ込んでいる、時間の痕跡やしるしに心打たれるのでしょう。

廃校になった小学校の机や椅子、海外の旅で見つけた少し古い台所用具や食器なども、今の生活に新しい点景を生んでくれることがあります。見立てといわれる日本の生活美学も役立てることができそうです。「見立て」はお茶の世界から始まりましたが、現代の商業空間や住空間に活用されている発想です。スタイリング、コーディネートのアイデアなどと表現されていますが、アジアの生活雑貨の籠を花生けに使ったり、ヨーロッパの陶板を卓上に置くなど、すでに日本の生活では普通に見られます。身近に楽しむ作法と受けとめていいのではないでしょうか。

気がつかなかった、見過ごしていた、などの視点を大切にしながら、これからの道具や生活雑貨の発見の楽しみを広げていきたいと思います。
こんなものを見つけた、使ったら具合がいい、などの「発見」をご一緒にふやしていきませんか。

研究テーマ
衣服