そうじの基本道具
「はたき」「ほうき」「ぞうきん」──
いずれも昔からある基本の掃除道具ですが、みなさんは、どのくらいお使いですか?持っていない、あるいは、まったく使っていないという方もいらっしゃるでしょうか?
昔と今では、家の構造や家に使われる素材が大きく変わりました。それに合う新たな掃除道具も考案されているように、現代の住まいや暮らし方に合わせて、掃除の仕方そのものを考え直す時期が来ているのかもしれません。
その一方で、時代を経ても変わらない「掃除の基本」もあります。
はたくから、はたき。
たとえば、基本の掃除道具のひとつとして挙げた「はたき」。みなさんはお使いでしょうか?
「はたき」とは文字どおり、チリを「はたき落とす」道具です。チリをはたいて落とし、落としたチリは掃いて捨てるというのが、昔からある掃除の基本的な考え方、一連の動作でした。
はたきを使うとチリやホコリが舞ってしまいそうですが、舞ってしまうほどホコリが溜まる前にはたいて落としておく、というのが基本です。もちろん、はたくときには窓を開け、換気をよくしておきます。
「はたきがけ」は楽しい。
「はたきがけ」をしてみると、はたくのはとても楽しいということに気づきます。
はたきは、棚の上のものをいちいち動かさなくても掃除ができますし、凹凸がある場所や狭いすきまのホコリも落とせる、魔法のような道具です。
カーテンに付着しているホコリは、そのままにしておくと「ホコリ焼け」を起こし、退色や変色につながりますが、はたいて落としてしまえば解決です。
また、手が届かない高いところや照明器具のシェードの裏側など凹凸のある場所は、ぞうきんで拭こうとするとうまくきれいにならないものですが、「はたき」ならちょっと背伸びしてなでるだけで十分です。
最近では、「はたき落とす」のではなく、静電気を利用して「ぬぐい取る」タイプのはたきも増えてきました。道具は時代と共に変わるものですが、あなたは、どちらのタイプを便利だと感じますか?
ホコリを溜めなければ、掃除は楽になる。
そんな便利なはたきですが、現代では、使う人が減っているようです。
共働き家庭が増えて平日は掃除をしている時間がないという事情もあるでしょうが、家の構造が変わり、長押(なげし)や欄間(らんま)・障子の桟(さん)など、チリやホコリが溜まりやすい場所そのものが家の中から消えたことも理由のひとつでしょう。
それでも、目の届かない場所にチリやホコリは溜まります。壁にも、棚の上にも、溜まります。ホコリを溜めすぎると、掃除は大変です。
掃除を楽にするコツは、ホコリを溜めないこと。これはいつの時代も変わらない、掃除の基本といえます。
そんな「はたきがけ」の効果を見直してみませんか? そこには、家をきれいにするためのヒケツがありそうです。
忙しい日常の合間にできる、手間がかからない上手な掃除の仕方を、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。普段はたきをお使いの方、今回試してみた方のご意見、ご投稿をお待ちしています。