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キッチンと菜園

キッチンの位置は、昔から一戸建て住宅では北側に、マンションでは家の真ん中の少し暗いところにあるのが普通です。南側はリビングやダイニングなどにして、日あたりのいいところで過ごしたいと考えられているからです。また、南側の暖かいところでは食材が傷んだりしやすいといも言われてきました。
でも、現実の暮らしはどうでしょう。主婦の方が一番多くの時間を過ごす場所は、実はキッチン周りです。ほとんどの家庭に冷蔵庫があり、食材が傷むようなことも少なくなりました。現代においては、南側の日当りのいいところにキッチンを置くのも一案かもしれません。

自然を自然に取り入れる

キッチンからすぐに出られるところに菜園があって、そこで摘み取ったハーブや野菜を使ってお料理をする。そんな風に自然に、自然を暮らしに取り入れられたら、素敵なことだと思いませんか? トマトやキュウリなどは、順調に育てば毎日食卓に並べることもできます。新鮮でおいしいことはもちろんですが、なによりも、自分で育てたものは安心です。

ハーブといえば乾燥した物しか手に入らない時代もありましたが、うれしいことに、最近ではさまざまな種類のハーブの苗が売られています。食卓にのせる直前のお皿に、菜園から摘み取ってきたばかりのハーブを添える。食後には、生のハーブで淹れたハーブティーを味わう。そんな贅沢も、その気になれば出来るようになりました。

ご自宅の庭で、こうした家庭菜園を楽しんでいらっしゃる方も多いでしょう。今回は、ベランダでも楽しみたいという方のために、間取りを考えてみました。

キッチンにはコンポスト(生ゴミ堆肥化容器)を用意して、生ゴミと抜き取った雑草、野菜クズなどを混ぜて堆肥をつくると便利です。

適材適地

日当たりも考えて、壁際に深さのあるプランターを配置してみました。土が深いので、にんじん・じゃがいも・かぶなどの根菜類や背丈の高い植物も植えられます。
日当たりのよい低地には、タイムやローズマリー、セージなどの日陰に弱いハーブを。日当たりのよくないところには、日陰でも育てやすいコリアンダー、パセリ、ミントなどを。別に少し湿ったスペースをつくって、湿地を好む水生のハーブ、クレソンを育ててみるのも楽しいでしょう。
窓際には、釣り鉢などを吊るして育てるのも手軽な方法。部屋の中から緑を眺めるのは、とても気持ちのやすらぐものです。

キュウリやゴーヤなど蔓性の野菜は、緑のシェードとなって室温を下げる効果もあります。ただ、蔓(つる)が繁りすぎて他の植物の日当たりを妨げないように注意したほうがよいでしょう。特別に日陰を好むものを除いて、普通の野菜は、日中6時間ぐらいは太陽の光が欲しいものだそうです。

さて、こうして野菜を育てると、果物も育ててみたくなりますね。ブルーベリー、グミ、スグリ、ぶどう、みかん、レモンなど、鉢植えで育つ果物はいろいろ。鉢植えは地植えより早く結実するとも言われますから、少し大きいプランターで育ててみるのも楽しいですね。

この夏は、キッチンに近いベランダ菜園を楽しんでみてはいかがでしょう。

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