目について
モンゴル、アフリカの草原地帯で暮らす人たちや、天空の星の位置を測りながら海を渡る航海士などは、並々ならぬ視力を持ち合わせています。遠くが見えることは、大自然の中で暮らす人にとって、とても大切なことなのです。自分の安全を守るために、体の機能の中で、目ほど重要なものはないかもしれません。
しかし日本の現代の暮らしでは、遠くを見ることも減り、パソコンや読書などで目を酷使することが増えています。大人だけではありません。ゲームやパソコン、テレビ、勉強などに費やす時間が増えているこどもたちも、目を酷使しています。
目を悪くしないために
目が悪くなるとは、目のまわりの筋肉が硬直して、水晶体を調節することがうまくできなくなり、焦点が合わなくなるということです。
では、目を悪くさせない方法があるのでしょうか。
いくつかの小学校では毎朝、朝礼の時間に全校で、目のまわりをマッサージする体操をしているそうです。そして、目の体操をしない学校に比べると、近視になる児童の割合が少ないのだとか。草原地帯で暮らす人たちもそうですが、訓練によって、人間の目の機能も向上させることができるのでしょう。予防だけでなく、いったん悪くなった視力も、目のまわりのマッサージをしたり遠くを見る訓練を続けたりすることで、回復することがあるようです。夜、寝る前に星を見ることも、効果的だといわれます。
マッサージには、ほかにも利点があるようです。目のまわりにはさまざまな体のツボが集まっていて、そこを刺激することで、体の疲れをとり、肩こりの解消などにも効果があるのだとか。長時間パソコンなどを見続けていると、視力が落ちるだけでなく、肩や首が凝ることは、みなさんも経験されたことがあるでしょう。そんなとき、目のまわりをマッサージしたり、肩や腕をまわして筋肉の緊張をほぐしたりすると、目がすっきりするだけでなく、頭や体をリフレッシュすることにつながります。
目にも、夏休みを
学校での勉強、塾通い、お稽古通い......外遊びの減ったこどもたちの日常生活からは、ゆったりした気分で星空を見上げたり、遠くの緑を眺めたり、というゆとりがなくなっています。そして、大人が想像する以上に、こどもたちは毎日を緊張して過ごしているようです。
せっかくの夏休み。勉強やゲーム、パソコンの日常からちょっと離れて、野山や星空を見に、家族で自然の中へ出かけてみるのはいかがでしょう。ラジオ体操のような感覚で、親子一緒に目の体操をしてみるのも、いいかもしれません。