研究テーマ

ものの置き場所

先日、くらしの良品研究所が行った収納についてのアンケート(※)では、全回答者の内9%の方から、「整理が得意」という答えが返ってきました。

整理が得意と答えた方と全体の答えとを比較してみると、どうやら「ものの置き場所」に違いがあるようです。

アンケート結果のグラフを見ると、多くの人が収納の場所を「だいたい」決めているのに対して、得意な人たちは「すべて正確に」決めているのがわかります。整理をしたときはきれいでも、日々の生活の中ではすぐに乱れてしまうもの。もとあった場所にちゃんと戻すといった日常の習慣と同時に、それを可能にする整理の工夫として、まずは「正確に場所を決める」ことが大切なようです。

そのためには、仕切り板を使ったり、ラベルを貼ったりしながら、位置を固定していくのがいいでしょう。ある収納の達人は、牛乳パックを切り開いて、引き出し内にぴったり納まる長さに調整した仕切り板を手づくりされていました。特に小物類は、面倒でも小分けして、ひと目で場所がわかるようにし、必ずもとに戻せる工夫が大切だといいます。

いつかまとめて整理しよう、と思っても、なかなかうまくはいかないもの。整理整頓は、毎日の暮らしの中に仕組みとして取り入れていくことが大切です。整理することで、いらないものも見えてきます。行方不明になったものを見つけられないまま、同じものをいくつか買ってしまっている。そんなことに、気付くかもしれません。人が管理できるものの量には、限界がありそうです。自分で把握できる量だけを持つのも大切な要素でしょう。

整理整頓が得意な人と不得意な人との行動の差は、ほんの少し。でも、そのほんの少しが、大きな結果の違いになっているようです。 ものの場所を正確に決める。小物類は、徹底して小分けする。ラベルを付ける。使ったらもとに戻す。こうした仕組みを、毎日の生活の中に取り入れてみてはいかがでしょう(以前にも「収納について ――広い家は狭く、狭い家は広く、使う――」と題して収納のしかたについて触れました)。わざわざ整理の時間をつくるのではなく、生活のリズムの中に組み込んでいく。そうすることで、毎日の暮らしが、もっと楽になるかもしれません。

みなさんのご意見を、お聞かせください。

※このアンケートは「収納についてのアンケート」と題して2010年8月18日(水)~8月30日(月)に行われ、3,727人の方に参加していただきました

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