キッチンガーデン
庭のハーブを摘んで、シチューやカレーの煮込みに加える。採れたての野菜でサラダをつくる。摘みたてのハーブでお茶を淹れる──こんな贅沢も、キッチンの前庭でハーブや野菜を育てるなら、たやすく実現できそうです。育てる楽しさだけでなく、欲しいときに欲しいだけ収穫できる便利さや新鮮なものを味わう喜びも手に入るのが、キッチンガーデン。
今回は試案として、そんな庭づくりのポイントを考えてみました。
1 家の中に土を持ち込まない
雨の日でも、すぐに出て収穫できるような場所に配置します。また通路には木のチップなどを敷いて、足元が汚れないようにします。家側には少し大きめの土間を設け、水を使えるシンクも配置しておくと、菜園で使う道具を洗ったり、泥付き野菜を洗ったりするのにも便利。スペースに余裕があれば、扉を開けたところには、野菜くずを堆肥化するコンポストも置けると、なお便利です。
勝手口の上部にも大きめの庇をつけて、雨が降ってもなるべく濡れずに行き来できるようにしておきます。
2 多様なハーブ類を一緒に植える
料理で使うハーブは、そんなにたくさんの量がいるわけではありません。さまざまな種類を植えた方が、使い勝手がよく、見た目にも楽しいものです。ハーブの種類によっては日陰や湿り気を好むものもありますので、小さな菜園でも、その範囲内で環境の変化をつけると育ちやすくなります。右の絵は、30cmぐらいの石を渦巻き状に並べて、真ん中を盛り上げていくロックスパイラルガーデンというもの。渦巻きの大きさは直径1.6m、真ん中の高さは1mぐらいに盛り上げます。日当りのよい乾燥する側には、タイム、セージ、ローズマリーなどを。湿った日陰側にはミント、パセリ、チャイブ、コリアンダーのような緑の葉物を。そして一番下の方には、ビニールを敷いて小さな池をつくり、クレソンなどを植えます。
3 作業しやすいように工夫する
ハーブだけでなく、野菜も育ててみましょう。間引き菜から成長した葉まで長期間にわたって楽しめるのは、フダンソウ、カラシナ、ほうれん草などの葉物野菜。ブロッコリーは脇芽も楽しめます。芽キャベツ、ミニタマネギ、ブロッコリー、トウガラシやズッキーニ、人参なども、おすすめ。いずれも、右の絵のように周りを木で囲って一段高くすると、腰をかがめずに、楽に作業ができます。作業中に足元が汚れないように、通路には木のチップを敷きましょう。
また、茄子、トマト、インゲン豆など、次々に実を結ぶ野菜は、実が熟したときに手の届きやすい場所に配置するのがポイント。連作障害にならないよう、年ごとに違うものを植えていきましょう。
自宅の庭でつくるキッチンガーデン、いかがでしょう?
毎日の食卓に自分たちで育てた野菜やハーブが並ぶのは、うれしいものです。夏野菜の収穫もほぼ終わったいま、来年の春に向けて、そろそろ自宅の庭に手をいれる計画を始めてみませんか。