バックパッカーという旅のかたち ─世界の誰かに会いに行く─
バックパックを背負って、ひとり旅をしたことがありますか?片道切符で見知らぬ町に降り立ち、どこへ行こうかと空を見上げる──不安と興奮が入り交じる気ままな旅ですが、いつの時代にも、少しばかりのお金を持ってそんな旅を続ける若者たちがいます。
昔から「かわいい子には旅をさせよ」といいますが、たしかに、ひとり旅には多くの学びがあります。片言の外国語で気持ちを伝えたり、いろいろな人に親切にされたり、困った時に見知らぬ人に助けてもらったり、知り合った人と行動を共にしたり
そういったひとつひとつが、感動や喜びを生み出すかけがえのない体験といえるでしょう。
そんな旅の中でお勧めしたいのは、現地の誰かを訪ねてみる、会いたい人に会ってみる、ということ。見知らぬ場所に行くのと同じように、見知らぬ人に会いに行くのです。ひとりで過ごすうちに五感が研ぎすまされていくのが、ひとり旅の魅力。その研ぎすまされ磨かれた感覚の中、人に会うことで、さらに多くの学びがあるでしょう。
最近では、世界一周をする若者のサイトでさまざまな情報が発信されています。格安チケットの買い方、宿泊場所の探し方、食べもの、持ちもの、気をつけることなどなど、便利な情報がたくさん。そんな記事の中に、旅先での突撃インタビューなどを書いたものも時々見られます。自分の尊敬する人に会いに行きインタビューするというのは、若者ならではの特権かもしれません。実際に会い、話を聞き、オフィスの様子などを肌で感じるのは、とても刺激的なこと。本で読んでよく知っているつもりの人でも、実際に会ってみると、思いのほか気さくな人だったり、少し怖い人だったり、実像は違っていたりするものです。緊張しながらも自己紹介をして質問をしていく、逆にいろいろな質問をされる。そんな体験の中から、あらためて自分がしたいこと、目指すことなどがはっきり見えてくるかもしれません。世界には思いも寄らない人がいます。想像を超えた出会いが、人生を大きく変えることもあるでしょう。
内向きな若者が増えてきたという話をよく聞きますが、その一方で、世界に目を向けて歩き続け何かをつかみ取ろうとする若者たちもたくさんいるように思います。見えない未来に夢を掲げ、光を見出そうとする若者たちにとって、旅は見るもの聞くものすべてが新鮮な学びの場です。わずかなお金を頼りに過ごす心細さと同時に、なにも持たないことの強みや自由も発見できるでしょう。どうしようもないこと、どうにかなること、いろいろな経験をします。人生は旅にたとえられますが、そうであれば、旅をすることで人生が開かれることもあるかもしれません。
何かを求めてひとり旅をする。バックパックを背負って、会いたい人に会いに行ってみる。みなさんは、そんなひとり旅をしてみたいと思いますか? そして、世界を旅して会いに行きたい人がありますか?
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