クリスマスの第三日は、箱の日
やおよろず(八百万)の神々がいらっしゃって宗教戦争など絶えてない日本では、さまざまな国の祝いごとを楽しむことができます。まずはメリークリスマス! 今日24日はクリスマスイブ、明日がクリスマスデイ、そしてクリスマスの第三日目があるのをご存じですか?
ボクシング・デイ
イギリスやオーストラリアを旅していて、クリスマスには翌日もう一つの休日があることに遭遇された方がいらっしゃるでしょう。その名はボクシングデイ。でもリングで熱戦沸くスポーツのボクシングではありません。箱のボックスが主題の日で、ボクシングは"箱でする"感謝の行為と言えるかもしれません。
クリスマスプレゼントの入っていた箱に、ディナーやパーティーのご馳走の残りものを詰めたり、ギフトのお裾分けをしたりする風習がボクシングデイの名の由来ですが、古くは英国貴族の館などで、クリスマスも働いて主人や客に奉仕してくれたことや一年間の感謝として、使用人に実家での休日を与え、そのときにさまざまなギフト(頂き物のおすそ分けも)を箱詰めにして贈ったのが語源という説が有力です。
善意のギフトの循環、と現在の感覚で読み直すこともできるでしょうか。また教会に箱を置いて、金銭を少しでも寄付して困った方々に届けるなどの行為もキリスト教社会では自然に継承されてきました。このドネーション・ボックスは美術館などでも受け継がれているので、館の入り口に置いてある箱に気づかれたこともあると思います。
中世にさかのぼるというボクシングデイの慣わしも時代とともに変化して、市民社会では郵便配達員や門番さん、牛乳配達員など日頃世話になっている人たちに御礼をする日となっていきます。
お正月の三日目などに
日本のカレンダーではウィークデイのクリスマスはお休みではなく特別の日でもありません。何だか実感がありませんね。それなのにクリスマス祭事とギフトや食習慣だけを受けついで過ごすだけでいいのでしょうか。
イブとクリスマスデイを楽しんだ三日目には他の人のために何かしてあげるという、気持の発露もともに受けとめ広げていきたいと思います。元日、2日、3日の祝日期間をまとめて「三が日」と呼んできた日本では、家族だんらんは元日。2、3日は親類や友人を招き招かれる日とする方が多いようです。初詣や書き初めをこの2日間にするご家族も多くみかけます。それでは第3日目には、誰かの役に立つことを組み込んでみることはできないでしょうか。日本版のボクシングデイ、愛の気持を箱に詰めて贈る日にすることはできないでしょうか。
家族の絆が感じられ、楽しければ楽しいほど、日本国内だけでも震災や災害の傷の癒えぬ状況の中の方々のことを思わずにはいられません。アジアに、世界に目を広げればさらに辛い環境があることも事実です。
リアルなボックス詰めでなくても、ウェブでクラウドファンディングをサポートするのもいいかもしれません。
誰かに何かさせていただく幸せを休日の季節に思いたいものです。
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