1981年 パンティストッキング10足組
まとめて包んで。
10足組で880円。30年近く前の数字とはいえ、この安さは大きな反響を呼びました。
そもそも、ストッキングは消耗品です。特別ドレスアップする日ならともかく、普段用は、伝線を気にしながら高価なものをはくより、手頃な価格で遠慮なく使えるもののほうが喜ばれるはず。そう考えて、コストダウンのために、工程から包装までのひとつひとつを見直しました。
店頭での見映えをよくするために施されていたナイロン高温処理は省略。10足分をまとめて、そのうち1足だけに台紙を付けることで、包装も簡略化。実質本位に徹して無駄を省いた結果、実現したのがこの価格です。
「途中下車商品」などと呼ぶ人もありましたが、お客様に支持されて大ヒット商品に。
同じような視点で、食品の「かんぴょう」や家庭用品の「平ゴムヒモ」も、シワを伸ばす工程や台紙を省いてコストダウン。商品のジャンルを超えて「わけあって安い」を実現し、製造小売業ならではのユニークな提案になりました。