研究テーマ

1996年 フィールドクッカー

1996年 フィールドクッカー

作品から、商品に。

1995年、無印良品は誕生15年を迎え、それを記念して「良品大賞」というコンペを企画しました。テーマは、「私の無印良品」。無印良品にこんなものがあったらいいな、という思いを作品にして応募していただくものです。
日本や世界の各地から作品が寄せられ、応募総数は3,269点にも。その大賞受賞作を商品化して翌96年に発売したのが、このフィールドクッカーです。

発想のもとは、昔なつかしい七輪。収納ケース・コンロ・釜・フライパン・スモークチップ皿・鍋・台枠・網など10のパーツからなり、収納時は入れ子になってケースにすっぽり収まる構造です。収納ケース自体も、スモーカーになります。
火力を多彩に操って、煮る・焼く・沸かす・燻製する。その上、ごみ焼却や焚き火もできる、という働き者。アウトドアにはもちろん、ふだんの生活や災害時にも使えます。また、アウトドア用品といえば外国からの影響を受けたものが多かったその当時、日本の食習慣にかなっている点でも珍しいものでした。

昔からあった生活道具の再生と同時に、自然との共生も見据えたアウトドア調理ユニットとして生まれた、フィールドクッカー。無印良品の津南キャンプ場でもレンタルされ、何年かたった後にも、時折り「あのときのフィールドクッカーを譲ってください」という声があがるほど。たくさんの人のアウトドアライフを、より豊かに彩ってくれました。