中国・杭州市にて開催 「無印良品展」他関連イベントレポート
「無印良品展」について
2010年5月1日(土)~15日(土)の15日間、中国・杭州市のショッピングモール「MixC Mall」にて、中国では初めてとなる無印良品の展覧会「無印良品展」を開催しました。
展覧会会場は、杭州市に新しくオープンした、MixC Mallの1階。無印良品としては、杭州市で2店舗目となるMUJI HANGZHOU MixC Mall(4/22オープン)のある館内です。
開幕式典には、モールにお越しいただいていた大勢のお客様が興味津々に集まり始め、あっという間に人垣ができあがりました。そんな中、関係者からの挨拶に始まり、プロダクトデザイナーの深澤直人氏や中国人建築家 王 貔克≠煢チわってのテープカットも行われました。
式典終了後は、興味津々のお客様が待ち構えていたようにどっと展覧会場へ流れていき、たいへんにぎやかな会場となりました。
展覧会では、商品をとおして無印良品のモノづくりへの思いやこだわりをご紹介し、展覧会に来場されたお客様の思い出や記念になればという意味もこめ、中国人アーティストを含む39名の方々によるオリジナルのイラストをプリントした「布製マイバッグ」の販売も行いました。
多くのお客様にご協力していただき、その売上を全額チャリティとしました。
15日間の限定開催となった展覧会は、5月1日の労働節(メーデー)を皮切りに、中国でのGWとなる連休とも重なって、連日多くのお客様が来場されました。
最終日には初日を上回る非常にたくさんのお客様が来場され、盛況のうちに幕を閉じました。
MixC Mallにおける特別記念講演会について
2010年5月1日(土)に、特別記念講演会を開催しました。
講演会会場は、展覧会場目の前の特設スペースで、その講演には、弊社代表取締役社長の金井とプロダクトデザイナーの深澤直人氏の2名が登壇し、中国国内で事前に招待状を送付した200名のお客様の前で、無印良品についてスピーチしました。
中国美術学院における特別記念講演会について
2010年5月8日(土)、MUJI HANGZHOU MixC Mallのオープンを記念し、同じ杭州市内にある国立の美術大学「中国美術学院」の講堂にて、講演会を開催しました。
この大学は、1928年に中国で最初の美術系大学として開学し、北京にある「中央美術学院」と双璧をなす美術系大学で、中国では最高峰の大学になります。特に、「中国美術学院」は、中国画と書道では中国内でトップの学校です。さらに、杭州市の西湖という美しい湖のほとりに大学は位置しており、さらに周辺には美術館や博物館なども多く、アートを学ぶにはとてもいい環境といわれています。
今回の講演会場は、「中国美術学院」のキャンパス内にある「美術館」内の収容人員600名の講堂でした。
登壇者は、前半は 建築家 張 永和氏、グラフィックデザイナー 原 研哉氏の2名、後半は、建築家 王 貔克=Aグラフィックデザイナー 劉 治治氏、作曲家・作家 劉 索拉氏、美術家 艾 未未氏と弊社代表取締役社長の金井を交え、合計7名によるトークセッションという二部構成での開催でした。
どの方も、中国でもとても注目されている方々ばかりでしたので、杭州市のしかもこの大学に一堂に会する機会はめったにないということで、講演前には雑誌や新聞、テレビなどメディアからの取材が多く入りました。
当日は、生憎の雨模様で、市内中心部にある鉄道の駅から少し離れた場所にあるこの会場までは、タクシーやバスに乗ってくるしか手段がありませんので、お客様が時間通りにお越しくださるか少し不安でしたが、
私たちの心配をよそに、13時半からの受付より前には既に大勢のお客様が外でお待ちでした。
中には予めご招待状をお渡ししていたお客様だけでなく、当日に空席、ないしは立ち見でもいいので聴講できないかという期待を持って来てくださった方も大勢いました。
14時前に受付を開始し、招待状をお持ちのお客様から順番に会場へご案内し、あっという間に600名分の席のほとんどが埋まり、14時過ぎに張 永和氏の講演から始まりました。
講演会は、全員同時通訳のイヤホンを装着しての聴講で、前半の張 永和氏は「無印良品の可能性」というテーマでお話しされ、原 研哉氏は「EMPTINESS 無印良品」というテーマでお話しされました。両名ともに沢山の写真やグラフィック、イラストなどを用いての講演でした。
2名の講演が終了し、そのまま引き続きでトークセッションが行われました。
ホスト役として、美術学院の教授でもある建築家の王 貔克≠ノお任せし、6名の方々に1つずつ質問を投げかけるという形式でお話が進んでいきました。
質問のお題には「無印良品」という共通テーマを含みつつ、例えば「無印良品の目指すシンプルとは何か?」、「無印良品の思想、生活哲学は中国にも根を下ろせるか?」、「無印良品がベースに持つ『無名性』ということに対して、中国国内ではどう受け止められるのか?」などなど...少々難しい質問も含まれつつも、全員それぞれ個性豊かな回答をされていました。言葉の壁を越えて笑いが起きるなど、会場全体がひとつになったような和やかな空気の中、講演会の全プログラムが終了しました。
会場入口では、チャリティのマイバッグも販売し、講演終了後にはレジに人が殺到していました。そんな中、やっと購入できたと思われるお客様の中には、美術系の学生らしき若者もいて、手に取った後にとても喜んでいる様子が印象的でした。