研究テーマ

2011年1月11日

寄付先「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」からのメッセージ

  • キャンペーンに先立ち、寄付先である「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」を訪問し、活動の内容、世界の子どもたちを取り巻く現状についてお話を伺いました。

世界中の子どもたちのために

「セーブ・ザ・チルドレン」は1919年、イギリス女性、エグランタイン・ジェブによって創設されました。
彼女は、第一次世界大戦後の飢えに苦しむ子どもたちの惨状を何とかしようと、妹のドロシー・バクストンと活動を開始しました。「敵に食糧を与える」ことへの懸念や批判を乗り越え、戦争で荒廃しきったヨーロッパの子どもたちを救うため、食糧と薬を送ることに成功したのです。セーブ・ザ・チルドレンの哲学はまたたく間に世界中に広がり、同じ志を持つ人々によって、同じ名前を冠した団体が世界各国で作られることとなったのです。現在、セーブ・ザ・チルドレンの理念に同意した加盟メンバーはセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを含み29あり、世界120カ国以上で活動しています。

幸せに生きる権利を守るために

全ての子どもたちは、生まれた瞬間から、幸せに生きる権利を持っています。セーブ・ザ・チルドレンは「生きる」、「育つ」、「守られる」、「参加する」といった子どもの権利を守ることを最重要課題として捉えています。
日本人にとっては、どの権利も当たり前のことと感じます。しかし世界の多くの国ではこの当たり前のことでさえも得られない状況が続いています。そして、経済的に恵まれている国においても、悲惨な状態にある人々を身近に感じ、多くの人々がこれらの問題に関心を持っています。
このような問題を解決するため、NGO=非政府組織は、政治的な枠組みを超えて人々を支援する存在として、世界では大きな信頼を勝ち取っています。例えば、同じアジアでも日本の隣国である韓国では、NGOの認知度は高く、多くの支援を集めています。一方、日本では、国際NGOなどへの支援が民間から集まりにくいといわれています。今、世界はつながっています。私たちの豊かな生活(豊かだと思っていないかもしれませんが...)の影で、多くの子どもたちが支援を必要としています。そして、その支援がたとえ小さなものであったとしても多くの人々が参加することで大きな支援になります。私たち一人ひとりの力で一人ひとりの命を守ることができるのです。

現地の力で立ち上がるために

具体的な支援の結果を数値で表すことがよくありますが、学校が建てられても、学校を維持する人やしくみがなくては、本当に現地の人たちのためにはなりません。セーブ・ザ・チルドレンのスタッフは「支援先でNGOが不要になる」ことに強い想いを持って事業を行っています。子どもたちを支援するためには、子どもたちを育てる現地の大人たちを育成し、ともに活動することが重要です。

支援をするにあたって最も大切なのは、現地の社会的な状況や文化を知り、現地の人々の信頼を得ることだと考えています。日本は誠実で、中立的なイメージがあるので、支援される側の国の皆さんから好意をもって受け入れられています。日本の一般の人たちが今回のプロジェクトで子ども支援の現状やNGOの活動に興味を持っていただけたら、とてもうれしく思います。

インタビューを終えて

今回お話を伺ったセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン広報担当の佐藤さん(写真左)、今福さん(写真右)にこれまでの活動で最も心に残ったことについて質問をしてみました。

佐藤さんのお話

セーブ・ザ・チルドレンは世界120カ国で活動をしているため、どこで何が起こっても、いずれかの国のセーブ・ザ・チルドレンのスタッフが関わり、情報が入ってきます。そのことが日本の人たちに伝わった時、世界がつながっているという醍醐味を感じます。

今福さんのお話

中国四川省の大地震のあと、子どもたちの心のケアのために、山奥の学校を訪問しました。災害で親を亡くし、自ら復興に携わらざるを得ない子どもたちはとても大人びていました。傷ついた心でこわばった体をほぐす体操を行ったり、自分の気持ちを外に出したり、「子どもでいいんだよ」というメッセージをこめて行ったワークショップの中で、子どもたちは次第に笑顔を取り戻してくれました。終了後に、現地の先生から「子どもたちの笑顔を久しぶりに見て、これからもがんばれると感じました」と感謝の言葉を受けたことが今でも忘れられません。