研究テーマ

こどもめがねへの取り組み報告

こどものめがねについての需要が年々増えてきているなか、無印良品では「視力の悪いこどもたちは限られた範囲でしかめがねを選べていないのではないか」「楽しんでめがねをかけることができていないのではないか」実際に、アンケートをとって、こどもたち、そしてお母さん、お父さんの声を集めて商品開発に繋げたい。そこから、この「こどもめがねへの取り組み」が始まりました。

まず、2010年8月に、視力の矯正が必要な小学生のお子さんがいるお母さん、お父さんに対して、「お子さんがめがねをかけ始めた時期」「こどもめがねへの不満点」など、こどもめがねについてのアンケートを実施しました。
その結果、873件の回答をいただきました。

たくさんのご意見をいただいた中から、アンケートの結果をご紹介します。

  • お子さんがめがねをかけ始めた時期
  • めがねの買い替えの目安

この結果から、めがねをかけているお子さんは、小学校の低学年から掛け始めることが多く、買い替えの目安の大半は眼科医もしくは学校の健康診断による所が多いことがわかります。

  • お子さんのめがねへの満足度
  • フレームについての不満な点

大半の方が現状のこどもめがねに対して大きな不満をもっていないものの、フレームについての不満な点としてデザイン面(素材・カラー)を挙げる方が多かったようです。
また、「壊れやすい」というご意見が「デザインの種類が少ない」に次いで第2位となりました。

  • フレームを選ぶときの基準
  • 購入したいと思うめがねの価格

フレームを選ぶ基準として、「デザイン」を挙げる方が多く、ほぼ同数で「掛けやすさ(重さ・素材など)」も基準にされている方が多くいました。
購入したい価格帯は、1万円未満が多く、高くても2万円未満という方が圧倒的でした。

アンケートの結果から、小学校の低学年からめがねを掛け始めるお子さんが多いのに対して、こどものめがねは、デザインやカラーの種類、バリエーションが少なく選択の幅が少ないことが分かってきました。
また、度数の進行や扱い中の破損など、こども特有の問題もあるようです。

アンケート終了後、その結果をもとにこどもめがねのサンプル品をつくりました。
今度は、サンプル品を実際にお子さんに使用していただき、その声を直接聞いてみようと、2010年11月下旬に、こどもめがねのモニター募集を行いました。
当選された7才から12才の計20名(男子11名・女子9名)には、無印良品有楽町店にご来店いただき、モニタリングで使用するめがねを実際に選んでいただきました。
数種類のフレームを準備したところ、男の子はメタル系のフレームを、女の子はプラスチックのフレームが人気のようでした。
選んだめがねは、スタッフにより一人一人に合うように調整をし、お渡ししました。

モニタリングで使用するめがねを選んでいただいた後、8日間ほど日常生活でこどもめがねを使っていただき、12月上旬にモニター座談会として、保護者の方に集まっていただき、お子さんがこどもめがねについてどう思っているのか、またこどもめがねを使用していた8日間についてなどを、直接話していただきました。

こどもめがねについてお聞きしたところ、やはり声として多かったのが、デザイン面の不満でした。
「めがね店舗を回ってみて、驚くほどこどものめがねのバリエーションがないことに気がついた」「選択できる範囲が少ない」「こどもは、まず色から入って決める」「個性があると自分のものとしての意識も高くなる」「男の子は、ブルーやグリーン、女の子は、ピンクは絶対選択肢にほしい」など。
また、「無印良品有楽町店にモニタリングで使用するめがねを選びに行ったこどもが、『商品が並べてあるマットの色が良かった。商品の色と合っていて選びやすかった』と言っていた。種類がたくさんの中から選ぶということが楽しかったようです」といったご意見をいただいたことからも、素材の種類を増やしお子さんの個性に合ったフレームのバリエーションを考える必要があるようです。
そして、アンケートの際に多かった「壊れやすい」という点や、その他についてもお聞きしました。
「体育の時にドッジボールが当たって曲がったことはある」「鼻パッドが片方潰れていて、そのままプラプラさせて掛けていた」「度が変わってつくるの繰り返し」など。
経年劣化より、動きまわって破損というパターンや、度数進行によって毎回つくり直している等の声です。
この点については、修理や部品交換等のアフターサービスを見直す必要があるようです。

今回、こどもめがねについてのアンケート、モニター座談会でこどもめがねについてのたくさんのご意見をいただきました。
ご協力いただいたみなさん有難うございました。
このご意見をもとに、無印良品では2011年4月にこどもめがねを発売する予定です。どうぞお楽しみにしてください。

今後もこどもめがねは、みなさんのご意見をお待ちしております。