研究テーマ

社会貢献を知ろう!「良品計画社員と学ぶ寄付先団体の活動」第13回 オイスカ×良品計画 311から1年。被災地の住民が、次の世代に残したいと願う海岸林。

海外からも協力の申し出が

林さん:いえいえ、このプロジェクトは10ヵ年計画で遂行されます。前述した、育苗によって収入をもたらす仕組みのための原資もそうですが、たくさんの人たちの協力がないと無理です。ご寄付以外にも、10年の間、いろいろな場面で、いろいろな人に参画してもらいたいと思っています。実は、内陸寄りの箇所には一部広葉樹を植えることも考えていて、そこは一般の方に、もしかすると、古田さんのお話にあったような、どんぐりを拾って苗に育ててもらうようなことや、苗を植えるお手伝いしてもらいたいと考えています。

古田:それなら私の経験も少し活かせるかもしれません!

川﨑:何かお手伝いできることがあればうれしいです!

林さん:ありがとうございます!今回は、とても多くの人たちが、おふたりのように言ってくれていて。これまで私たちが支援を行ってきた海外からも申し出が届きました。10月に行った現地の視察会には、十数ヵ国の駐日大使館の方々も参加してくれたのですが、特にチリの方などは、非常に高い関心を寄せてくれました。「他人ごとではない」と思ってくれて。

古田:津波を経験されていますもんね・・・。

林さん:はい。長年いっしょにマングローブの植林に取り組んできたタイの人たちもそうでした。スマトラ島沖地震を経験した現地の漁民の皆さんは、将来の津波に備えるために積み立てをしてきたお金、それも全額を東日本の被災地のために寄付してくれたんですよ。スマトラ沖地震のときは、マングローブのお陰で被害が小さく済んだエリアもあります。日本人に、これまでの支援のお返しがしたいと言って。

古田:そんな貴重なお金を差し出していただくと、なんとしても活かさなければと思いますね。

林さん:はい、なんとしても。

川﨑:日本人として本当にありがたいと思うと同時に、ここはやはり鳥取県民としても自ら協力しなくては!と思います。

人の思いが人を動かす

林さん:今回は、人の思いが人を動かすことを改めて実感しています。地元の人たちも、こうしたたくさんの応援の気持ちに勇気づけられてやる気になっています。それだけに、私たちも責任を持って、このプロジェクトを成功させなくてはいけません。

古田:これだけの規模のプロジェクトを担おうというオイスカさんも本当にすごいと思います。これまで海外で行ってきた植林活動の実績があってこそなんでしょうね。

林さん:オイスカが海外のマングローブの再生に最初に着手したのは1990年のことでした。当時は、専門家にも、「絶対に無理」と言われ、若干バカにされ気味(笑)だったんですよ。諦めずにチャレンジして成功させ、継続してきた自負はありますね。

古田:継続は力なりですね。頭が下がります。

林さん:人の思いは人を動かすんです。オイスカも、支援を必要としている人たちと、それを手助けしたいと思う人たちの、まさに人の思いがあったからこそ、活動を続けて来られたのだと思います。東北の海岸林再生も、たくさんの人たちの思いを原動力にして、きっとやり遂げたいです。

対談を終えて

古田:個人ではできない規模の支援であるのはもちろんですが、一時的ではなく、長期の取り組みであることのすごさを実感しました。10年先を具体的にイメージすることの難しさは、私自身、仕事の上でも感じることがあります。たいへんなことをされていることに感心するとともに、被災地に長く継続的に関わっていくことの大切さを心に刻むことができました。私たちにも参加の機会があるのであれば、是非、海岸林の苗を植えてみたいです。

川﨑:木を植えた人が、将来子どもや孫に「これは私が植えたんだよ」と、言えるのっていいですよね。モノづくりを担う人間のひとりとして、長く残っていくものをつくりたい、その視点を持ちたいと思わされました。それから、いろんな形で支援に立ち上がっている人がいると知ることで、勇気をもらった気がしました。この出会いを大切に、まずは募金券で、寄付に協力させてもらいます!

オイスカは、2012年2月24日から5月23日の期間、
無印良品ネットストア「募金券」で募金を実施し、
449人の方から合計150,000円の寄付を集めることができました。
ご協力ありがとうございました。
実施中の募金券はこちら