研究テーマ

IDEA PARK会員交流会報告

日頃IDEA PARKをご利用いただいているみなさんとの相互理解をさらに深めるために、6月上旬、無印良品を展開する株式会社良品計画本社にて「IDEA PARK会員交流会」を開催しました。今回の交流会には、多数の方にご応募いただきましたが、抽選の結果、2日間に分けて9名の方にお集まりいただきました。今回はこの交流会の様子や、実際に会員の方からいただいたご意見・ご質問をお伝えします。

はじめに

はじめに、IDEA PARKのサービスが始まるまでの無印良品のあゆみについて、IDEA PARK運営チームの担当者よりご説明しました。

「作り手側ではなく、お客様の側から考えた」シンプルで使いやすい商品づくりを第一に。
無印良品では創業以来、お客様の声や生活をもとにした商品開発を行ってきました。

そのなかで生まれた取り組みが、1990年の「声のキャッチボール」です。
はじめはお客さまとお話するなかで気がついたことや、いただいたご意見を店舗スタッフが書きとめ、そのメモを本社に送るというシンプルなものでした。

IDEA PARKの原形となったのは、「モノづくりコミュニティー」というサイトに設けていた「いいたい放題」の投稿コーナー。通常のお問い合わせ窓口とは別に、「どんな内容でもご自由にどうぞ」という形で幅広くご意見を募集し、当時から、社長以下全ての社員が1通ずつ目を通し、商品づくりに活かしていました。

そのやりとりはクローズドにしていたのですが、「だれかが疑問に思うことは、きっと他の人にとっても疑問に感じていることに違いない」「せっかく全てのご意見を検討しているのだから、その結果をみなさんに知っていただけるようにしよう」と社内で意見があつまり、IDEA PARKのサービスが生まれました。

現在では店舗・コールセンター・WEBの各窓口をあわせて年間20万件のお声をいただいており、もちろんその全てを社内全体で共有。より良い商品づくりやサービスの提供のため、活用しています。

IDEA PARK会員交流会

次に交流会では、無印良品の商品やIDEA PARKをどのようにご利用いただいているのか、お話を伺いました。直接お会いして、お話をするからこそ、知ることができた"気づき"がたくさんありました。

それではさっそく、ユーザーのみなさんからいただいた質問やご意見の一部をご紹介します。

Q: IDEA PARKに投稿されたリクエストの返信は、誰が、どのように書いているのでしょうか?

A: 新しくいただいたご意見は、私たち運営スタッフから各商品部の開発担当者のもとへ届け、1件ずつ回答しています。現在は週に100件ほどのリクエストをいただいていますが、そのうち各商品部の開発担当者のもとに届くアイデアは、一つの部署につき多くて4件ほどでしょうか。毎週みなさんからの声をいただくのを楽しみにしているというスタッフも多いです。

Q: すでに投稿済みのアイデアを送ってしまったらと思うと申しわけなくて…

A: 以前に検討済みのアイデアであっても、お客様からの声がきっかけとなって改めて見直すことができます。みなさんの声を聞かせていただけたら何よりです。

Q: お店のスタッフに意見を伝えても、本当に本社に届くのか不安です。

A: 無印良品では全てのスタッフが責任を持って、お客様の声を本社の開発担当者に届けています。その際に社員やアルバイトといった役職の垣根は一切ありません。もちろん、店舗スタッフもたくさんの意見を本社に送っています。お気づきのことがあればどんなことでもお申し付けください。

Q: IDEA PARKでは自分の「良いね」したリクエストがどこにいったかわからなくなってしまいます。

A: 自分が「良いね」やコメントをしたリクエストでしたら、アカウントメニューの「自分のアクション」という項目から確認していただくこともできます。ただ、リクエストを探す検索機能が使いづらいというのは、私たちも感じていますので、そこは改善をしていきたいと考えています。

無印良品2015年秋冬新商品展示会

今年の秋冬新商品の中には、みなさんからいただいた声に対応した商品もいくつかあります。ぜひ完成した商品を見ていただければと、交流会の後には秋冬新商品の展示ブースをご見学いただきました。

各商品の開発担当も加わり、一つずつ商品を手にとり説明していきます。早くも気になる商品を見つけたという声も聞こえてきました。

無印良品では長く、安心してお使いいただける商品を提供するため、厳しい品質基準を設けています。そのためぜひ取り入れたいというアイデアがあっても、かたちになるまでお時間がかかってしまうことも少なくありません。みなさんには、まだ開発段階のサンプルも見ていただきました。

今回の交流会を通して、参加者のみなさんからは、IDEA PARKに関する様々なご意見や提案もいただき、今後のサイトコンテンツや運営に向けて、多くのヒントと激励の声もいただきました。

参加者のみなさんの声

  • 普段なにげなく提案をしていたIDEA PARKの担当の方々にお会い出来、提案が商品化になる難しさや、試行錯誤のプロセスを知る事が出来た。秋冬物展示会を拝見して、開発担当者の方々から説明を受けると、良さが解り、購入意識が高まった。
    ひとつの商品を開発するのでも、開発担当者がテストしているのを知り、それもユーザー側に伝えて欲しいと思った。無印良品さんは、品物にちゃんと責任を負って開発していると感じた。

  • 同じ無印好きな方々とご一緒できて、とても楽しいひと時でした。
    もともと大好きなツールだったので、サイトの製作側の方や、無印の社員さんとお話できて、嬉しかったです。

  • 無印良品の考え方やコンセプト(三方よし、自然のあるがままを大切にする姿勢など)を再認識することができ、今後も無印良品を使うことで、その考えを私も大切にしようと思いました。また私にとって「無印良品」は、商品だけでなく、店舗スタッフも含めたブランドです。いつもセンスがよくて気持ちのよいスタッフと同じように、企画の方たちも物腰やセンスがよく、商品の向こう側にある「人」も感じられました。うれしかったです。

  • 無印良品の社員の方の仕事へに対する情熱を感じました。またIDEA PARKの活用の仕方が分かり、早速活用させてもらっています。
    実際に皆さんの活用頻度を聞いて、実生活に根付いているんだと思いました。

  • リクエストすべてにきちんと目を通しているんだとわかり、感心しました(ざーっとななめ読みして、大事な意見だけピックアップしていることもあるよねえ・・と、勝手に考えてました)。スタッフの方々は、日々悩みながら悪戦苦闘しながら真剣に取り組んでいるご様子でした。これだけの取り組みがあってこそ、いい商品が開発・改良されるのでしょう。今後の新商品や改良品が、楽しみになりました。これからも応援しています。

  • 印象に残っていることは、秋冬の新作服が素敵だったこと。
    無印の理念がしっかりしてること、また時代に添ってると思いますますファンになりました。

  • リクエスト1件1件をとても大事にされている印象受けました。他の企業には全くない目線で、なかなか実施しづらい内容だと思います。これからどんどんリクエストも増えていくかと思いますが、その方法はあまり変えないでいっていただきたいです。また、展示会見学中に、自分の出したリクエストの途中経過を教えていただいたのがとても嬉しかったです。その点から、リクエストが「開発はじめます」になってから「できました」のアナウンスが来るまでに、途中経過の報告があると、ユーザー側の満足度が高くなるのではないでしょうか。(運営の手間がとても多くなってしまいますが・・)

  • 無印良品さんが、商品開発でユーザーの意見を取り入れていきたいという姿勢が伝わりました。それから、ネット上の交流の場は気軽に参加できていいのですが、やはり本当に利用している方とリアルでお話しできたのは貴重な体験でした。結構ヘビーユーザーの方もいらっしゃるのだと思い、自分ももっと気軽に投稿しようと思います。新商品発表会は本当に楽しかったです。多分、店舗で新商品をみても、既存の商品の中に混じって配置されているので、今回ほどのテンションの高さにはならなかったと思います(笑)

  • 思った以上に消費者の立場から商品開発してらっしゃるんだと感じました。

今後もみなさんとのコミュニケーションを深め、お声を一つでも多くより良い商品づくりにつなげたいと再認識するよい機会となりました。