滋賀はその中央に日本最大の琵琶湖をたたえた「湖のくに(このくに)」です。琵琶湖の周囲には、名山と称される鈴鹿山系、伊吹山系、比良山系の豊かな山々がそびえ立ち、そこに降る雨水や雪解け水は、良質な伏流水となって琵琶湖に注ぎ込みます。

そして、琵琶湖から立ち上る湿気は“発酵”に適した環境をつくり、古くから地酒づくりも盛んです。銘酒を醸造するなかで生まれる副産物「酒粕」は甘酒や漬物などにも利用されてきましたが、とても使いきれる量ではなく、その使い道に頭を悩ます酒蔵も多かったそう。

そんななか滋賀ならではの食品の開発をしていた、工房しゅしゅの大野眞知子さんが「酒粕」と出会います。同じく発酵食品である「チーズ」と組み合わせて、2012年に生み出されたのが「湖のくに 生チーズケーキ」でした。

工房しゅしゅを運営するのは、社会福祉法人あゆみ福祉会。実は「湖のくに 生チーズケーキ」は、福祉作業所で働く利用者の工賃アップを目指す中で誕生した商品でした。

工房しゅしゅでは、滋賀ならではのモノやコトを含め、地域が育み醸しだした“恵み”を使い、おいしく語らいの生まれるお菓子をひとつひとつ丁寧に作っています。

「しゅしゅ」の名前は、フランス語で「お気に入りのもの」という意味のchouchouに由来します。また、日本語の「酒酒」にも通じます。酒蔵ごとにそれぞれ違った風味の酒粕を使ったスイーツ。あなただけのお気に入りの味を見つけてみてください。