年のおよそ半分を雪に閉ざされる津軽地方。1724年の「農家倹約分限令」により、農民は木綿の着用が禁止され麻布を着ることに。そんな厳しい冬を乗り越えるアイデアが「こぎん刺し」でした。
こぎん刺しは、縦糸を1・3・5・7と奇数の目を拾って刺していくのが特徴です。集中力のいる作業で、こぎん刺し歴30年の職人さんも「出来上がると毎回達成感がある」と話します。
300種類以上の伝統模様があるというこぎん刺しですが、それらは女性の美意識が生んだもの。かつてのものは藍の麻布に白糸が基本でしたが、弘前こぎん研究所では、現代のくらしにも取り入れやすいよう様々な配色で展開しています。