海からこんもりと山が突き出したような地形の対馬は、コナラやアベマキといった落葉樹が豊富。その風倒木などに、大陸から飛来する胞子が付着したのが、対馬の原木しいたけのはじまりだそう。

おいしいしいたけが育つ環境は、夏場は風が通って涼しく、冬場は暖かい場所。「むかで伏せ」と呼ばれる組み方で原木が並べられ、できるだけ陽の光が当たるよう工夫されています。

しいたけの菌は原木に蓄えられた養分をたっぷり吸収して成長します。冬に袋がけで寒さ対策したこともありますが、食感がいまいちに。「自然のままに育ったしいたけが一番おいしい」といいます。

「おいしいですよ。森を食べているようなものですから。干すことによって、さらに旨みも凝縮されています」生産者で原木しいたけマイスターの一人、永尾賢一さんはそう話します。