お茶は基本的に年4回摘み取ることができます。そのうち、毎年4月下旬〜5月中旬に摘まれるお茶は「新茶」と呼ばれ、この時期にしか楽しめない新茶独特の香りや味を楽しむことができます。
実は葉っピイ向島園の茶畑からは、縄文式石器が発見されています。縄文時代に祭事などを行っていた神聖な場所で作られたお茶には、どこか不思議なパワーが含まれているようにも感じます。
「地上にあるものすべてが、自然の仕組みの中では掛け替えのない役割を担っている。農薬・化学肥料はある面から見れば妥当な方法ですが、生命の次元で見た場合、つながっている命の流れを断ち切ることになる」そんな想いから、周囲の反対にあいながらも、葉っピイ向島園は無農薬・無化学肥料栽培を始めました。
茶樹の種は自家受粉できないため、挿し木で増やすのが一般的ですが、生命体の強い茶樹を育てるために種から育てます。挿し木で育てたものも、できるだけ種に近づくように特殊な「一本仕立て」栽培を行い、生命体の強い茶樹を育てています。また、茶樹がのびのびとした環境で成長できるように、ゆとりを持って栽培。幹は人の腕よりも太く、切ると茶樹には珍しく年輪が見えるほどです。
そして、茶葉からお茶に加工していくのも、茶農家ならではの仕事。通常は、外部の工場で他の茶葉とともに加工されることが多いそうですが、葉っピイ向島園は自社に設備を構え、裏山から湧き出る清水を使って自社で完全オリジナル加工まで行っています。
また、お茶の奥深さを伝えていくため、お茶にまつわる様々なワークショップを開催。「農家はアーティストたるべき。今後も自分たちの信念を伝えていきたい」と生産者の向島和詞さんは語ります。