「那須はもともと“不毛の地”なんです」浜津さんがそう話すように、引水できる川が少なく、那須山の火山によって覆われた那須高原は、田畑にするのが難しく、結果、酪農のみが根付いていった地といいます。「そんな土地柄なので、昔から続いている食文化がない。それを新たに作っていきたいんです」

一時は各地で盛んにつくられたハーブ園も、経営難から次々と撤退していく時代。ご多分にもれず、浜津さんにも苦労の時代が9年間も続いたといいます。それでも、寒暖の差が大きく、生物多様性の残っている那須だからこそ作れるハーブの味があると、浜津さんはひたすら那須でのハーブ栽培を追求し続けました。

「草が生えているところには霜柱が立たない。では、雑草を生やしたらいいのではないか」「ヤギは種の保存のためか、草を食べ尽くすことなく、その糞尿は堆肥となる。では、ヤギを飼おう」など、自然の観察から発見したことを次々と取り入れていった浜津さん。その結果、行き着いたのが完全自然農法によるハーブ栽培でした。

こうして作られるようになった那須高原産ハーブは、色が濃く、香りも強いと評判に。もちろん単品種でも楽しめますが、ハーブはブレンドすることで、様々な風味を一度に楽しめるのも魅力です。浜津さんが那須高原をイメージしたハーブブレンドを是非、お楽しみください!