研究テーマ

カラーユニバーサルデザインとは?

3 カラーユニバーサルデザインとは?

色覚タイプを体験できるアプリを使用して撮影したもの

カラーユニバーサルデザイン(CUD)という言葉をご存知でしょうか。
CUDとは色覚タイプの違いを問わず、より多くの人に利用しやすい製品や施設・建築物、環境、サービス、情報を提供するという考え方です。
「色弱者」は、色覚異常・色盲・色弱・色覚障害・色覚特性などとも呼ばれており、日本では、男性の約20人に1人、女性の約500人に1人、日本全体では320万人以上いるとされています。これに後天的な色覚の変化を合わせると約500万人という数になります。AB型の男性の数とほぼ同じとも言われています。
(NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構様HPより一部抜粋)

  • C型
  • P型
  • D型

色覚のタイプは大きくC型(一般色覚)、P型、D型に分けられ、上の図のように色覚タイプによって色の見え方に違いがあります。
C型(一般色覚):日本人男性の約95%,女性の99%以上を占めます。
P型:日本人男性の約1.5%
D型:日本人男性の約3.5%

CUDラウンド

UD活動のひとつとして、昨年無印良品有楽町店で「CUDラウンド」と称して、活動メンバーを中心にNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構様(以下略CUDO様)のご協力のもと、店舗環境や商品がどのように見えているのかスマートフォンアプリ(※1)や専用の眼鏡(※2)を使い、様々な色覚を体験してきました。

スマートフォンアプリを使って確認している様子

※1 スマートフォンアプリ「色のシミュレータ」は、様々な色覚特性を持つ人の色の見え方を体験するための色覚シミュレーションツールです。
スマートデバイスの内蔵カメラまたは画像ファイルから得た画像をリアルタイムに変換し、それぞれの色覚タイプではどのように色が見えるのか、シミュレーションを行います。
色のシミュレータ

※2 専用の眼鏡「バリアントール」は一般色覚者が色弱者の色判別の不自由さを体験するためのカラーユニバーサルデザイン・支援ツールです。
伊藤光学工業株式会社 バリアントール

売り場の様子

ペンの売場

化粧品の売場

エスカレーターの表示

CUDの視点で使いやすいもの

CUDO様とのCUDラウンドを通じて様々な発見があり、色弱の方でも分かりやすい、使いやすい商品がいくつかありましたので、ご紹介します。

植林木ペーパー付箋紙・5本入
グラデーションになっていて、それぞれの明度差が付いているので識別がしやすくなっています。

アナログ目覚まし時計 置時計・ホワイト
これまでの赤いアラーム針では他の黒い針と見間違えてしまう可能性があり、アラームの針の色が赤から黄色に変わったことで、識別がしやすくなりました。

組み合わせが選べる3色ボールペン
中のインクの色を自由に選ぶことができるので、使う人に合わせて使いやすい(識別しやすい)色を組み合わせることができます。

商品ではありませんが、衣類で使用されているサイズ表記のシールは白と黒が印刷されています。明るい色、暗い色それぞれに合わせてシールを作るのではなく、このシールひとつで各色に対応することができます。

今回の店舗ラウンドを通じて、実際に違った色の見え方の体験をしたり、色弱の方と一緒に現場をまわり、直接お話しをお伺いできたことで、今後につながる新しい発見やヒントがあったのではないかと思います。また機会があれば普段とは違った視点で体験できるワークショップなどを開催してみたいと思います。

新規商品のお知らせ

CUDの視点を取り入れて開発した商品が発売されます。

PET詰替ボトル用・識別リング
照度の低い浴室や、眼鏡を外したり、洗髪中で目が開けにくい状態でもどのボトルに何が入っているかわかりやすくなります。色での識別に加え、先端の凸凹の溝に沿ってカットして長さを変えることで触って識別することもできます。赤と青の彩度を少し上げることで一般色覚者と色弱者共に識別がしやすくなりました。