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「急斜面を下って」(1日目)
まずは、それぞれの個人装備(寝袋・タックル・着替え等)をパッキングし、キャンプ場の車で入渓地点へ移動しました。そこから先は、転がり落ちるような急斜面をガレ場の落石に気をつけながら、数時間かけて下るのです。足は自らの体重を支えるのに精一杯で、滑落への恐怖と緊張で汗が噴き出します。苦労しながら進んでいくと、ようやく川が見えてきました。目の前の源流に釣りへの期待が一気に高まります。早めの昼食を済ませ、早速キャスト。するとまさかの一投目で、ヤマトイワナが顔を見せたのです。 |
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「たくさんのイワナを手にして」(1日目)
気の合う仲間同士、アウンの呼吸で交互に先行しながら釣り上がり、たくさんの魚を手にすることができました。中水支配人と私が、簡易テントを設営していると、成田さんと藤田さんがテント場についたので、早速、拾い集めた薪で火を起こし夕食を作りました。大きな焚き火を見つめながらの支配人の熊の話しには、皆さんくぎ付けの様子でした。釣りはこれからという夕方6時近く、もっと釣りに行っていただきたかったので声を掛けると、皆さん口をそろえて「もう、十分釣りました。明日でいいです。」とのことで、今日はロッドをしまうことにしました。時間も7時を過ぎ、暗くなってきました。明日は、この釣行のハイライト、滝の高巻きが待っています。疲れを残さないように、皆さん早めに寝袋に潜り込みました。 |
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「型のよいヤマトイワナが次々に」(2日目)
2日目は、朝5時起床。あたたかいうどんで朝食を済ませ、テント場を後にしました。しばらく歩くと、目の前にひとつ目の滝が出現。ザイルを結び合い、難なく登り切りました。ここから上流へ進むふたつ目の滝までは、次々に型のよいヤマトイワナが顔を出してくれるポイントです。早速キャストしてみると、落差20mはある2番目の滝の手前で、大きなヤマトイワナにヒット。金色に輝くその姿は、感動するほどの美しさです。そしていよいよ大滝を高巻きする時がきました。ルートが屈折しているので、2回に分けて登りました。赤いザイルをハーネスに結びつける手に力が入ります。下をみると極端に恐怖心が強くなるので、上だけを目指し、ひとりずつ登攀しました。 |
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「苦労してもまた来たい」(2日目)
ここから上流も、さらに多くの魚が潜んでいるのですが、ゆっくりしていると日が暮れてしまいます。急ぎ足で釣り上がり、最終地点に到着。簡単な昼食をとりながら成田さんと藤田さんは、帰り道を眺めています。心臓破りの斜面を眺めれば眺めるほど、驚きをかくせない様子でした。さあ、いよいよ登りです。とにかく急。場所によっては薮こぎもあり、手足を使って這いずるように登ります。道なき道を息を切らしながら歩くこと数時間、ようやく道に出ることができ、キャンプ場に戻りました。御嶽を望めるお風呂に入りながら、「こんな苦労をしても、あの魚達を見られてよかった。また、来たいね」とこれまでの釣行の話で盛り上がりました。美しいイワナ達が潜む、私たちのマル秘の源流がいつまでもあることを願わずにいられません。 |
□レポート:南乗鞍キャンプ場 教室担当 播摩 和之 |
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