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探し求めるといっても、広い高原。時間の限りもあるので、目的の収穫物があるだろうと予測できる場所へとキャンプ場のワゴンで移動を繰り返しました。まずは、クルミ。あの深みのある味わいは、独特です。ハンマーで割って取り出した実をフライパンでさっと炒って、擂り鉢で擂って味噌と砂糖などを混ぜ合わせたタレは、焼き餅につけて食べると最高です。15分ほど高原を下った所に大きなオニグルミ(クルミ科)の木がありますが、お目当てのものがなかなかありません。そこで場所を少し移動すると、「あるわ!あるわ!」。皆さん我を忘れて大はしゃぎで拾っていました。クルミと言うと、皆さんネットに入った殻付のものを思いだされると思います。実は果肉が付いており、色も緑や茶色などさまざまです。 |
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クルミが袋にたくさん採れたので、あとは動物たちに任せて、今度はミズナラの森へとキノコを探します。気持ちのいいほど陽光を浴びる森を、サクサクと歩くだけですがすがしい気分になります。しばらく歩いていると、ところどころに白い粉を降りかけたような赤いキノコが見えます。ベニテングタケです。一見、おいしそうなのですが、実は毒キノコなのです。高根村の阿多野郷地区では、塩漬けに加工し、おいしいキノコのひとつとして好んで食べているのですよ。 |
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急斜面を下ると、伊勢湾台風上陸時に倒れた木々が横たわっています。歩くだけでも大変な斜面ですが、それらをひとつひとつ丹念に探っていかなければ、お宝のキノコは見つかりません。手分けして探していると、ハンの木の倒木に鈍く金色光るムキタケ(キシメジ科)が群生していました。地元では、喉焼き(のどやき)と呼ばれています。味噌汁などに入れて食べると、ナメコのようにつるんとして、大きな塊がアツアツのまま喉を通ってやけどしてしまうので、このような名前がついているようです。こちらもたくさん採れました。 |
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次は、ヤマブドウ(ブドウ科)です。そのまま食べると酸っぱいだけですが、ほんの少し手を加えてジャムや果実酒にすると最高の味わいとなります。蔓性の植物ですから、日当たりが良いところに高い所まで蔓を伸ばし、はじめて実をならせます。今年は運良く、比較的低い木に蔓が絡みついて実がなっていたので、高枝切りバサミでパチパチとブドウを切り落としました。もちろん来年も実をつけてもらいたいので、蔓を傷めないように丁寧に切り落とします。 |
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今年は、スーパーで並んでいる梨の原種の山梨(バラ科)やキウイフ ルーツの原種(シナサルナシがニュージーランドで改良されたもの)に 近いサルナシ(マタタビ科)、マロンアイスを作ると最高のヤマグリは、 残念ながら不作のため採れませんでした。来年こそは収穫できると思い ますので、ご期待ください。 キャンプ場に戻り、袋いっぱいに採れた秋の味覚を大きなシートの上 に広げました。中水支配人が収穫物の確認をしながら、クルミやきのこについた汚れの取り方や食べ方などの説明しました。なかでも、皆さんが興味深く聞かれていたのは、支配人マル秘製法によるヤマブドウのお酒の作り方。すべて皆さんで分け、持ち帰りました。 山の幸を採取すれば、天候、木々、動植物など、さまざまな自然について考えると同時に、思いやりを持つようになります。味覚狩りは収穫の楽しみももちろんありますが、実際に体験することによって、自然のいちばん大事な部分を気づかせてくれます。シーズンは終わってしまいましたが、来年もぜひ皆様の参加をお待ちしております。 |
□レポート:南乗鞍キャンプ場教室担当:播摩和之 |
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