最新情報 > アウトドアニュース2003 >
アウトドア教室レポート2003

掲載日:2003/02/27
MUJIアウトドアクラブ主催
「冬〜春のアウトドアイベント」レポートNO.2

スノーシューをはいてアニマルトラッキング

開催日:2003年2月11日(火・祝)
所:群馬県沼田市玉原高原
師:瀧深 徹 氏(TOPS)

  2月上旬には珍しく、暖かく少し動きやすい気温の中で出発した「アニマルトラッキング」。「アニマルトラッキング」とは足跡その物の形、並び方をよく観察し、足跡の主の動物の種類や暮らしぶりを推理して楽しむ遊びのことです。今回訪れた玉原高原のブナ林にもたくさんの動物たちの生活の痕跡が、雪の上、木の上、木の皮などさまざまな場所に残っていました。広大な自然の豊かさを感じながら雪の上を歩き、アニマルトラッキングを楽しむことができました。参加された皆さんのほとんどが、スノーシューを初めてでしたが、おかげで深い雪の中でも余裕を持って楽しむことができました。


●豊かな自然を満喫した「アニマルトラッキング」の様子をご覧ください●



ブナ林に入りさっそく目についたのが、樹齢300年以上はありそうなブナの大木。今回見た中でも、最大級の大きさ。
 


玉原高原の地形は、ほとんど頭の中に入っていると言う瀧深さん。楽しく熱心にさまざまな自然について解説してくださいました。



この秋に、ブナの実を食べるために、クマが木を登ったときについた爪跡。あの大きな体でどのようにして登ったのでしょう。
 



1カ所に集められたブナの枝。クマが枝ごとに折って実を取った跡です。本当に高いところに残されていました。クマ棚と呼ばれています。



他の木に寄生し、成長していくヤドリギ。ヨーロッパでのクリスマスには欠かせないものだそうです。
 



カモシカの糞の仕方の特徴は同じ場所に1カ所にまとめてするそうです。足跡だけでニホンジカとカモシカの区別ができない時は、糞の仕方が判断の基準に。


  雪に覆われた森の中は、一見、何もなく暗い雰囲気のように思えますが、落葉樹の森の冬は木の葉がすべて落ちてしまうので実はとても明るく開放的です。薮も雪に覆われてしまうことから、とても見通しが良くなりたくさんの動物や植物たちが冬でも生活している痕跡が見つけやすいのです。雪の上とは言え、普通に歩けば1時間程度で歩ける数kmのところを、夢中になって見て、聞いて、想像を楽しんでいるうちにあっという間に2時間以上が経っていました。始めは遠くから眺めているだけでしたが、次第に手にとり、触ってみたり、匂いを嗅ぐときもありました。見るだけのアニマルトラッキングではなく、五感をフルに使い楽しむことができました。



雪の上でのランチも、もうひとつの楽しみ。ミルク仕立てのポトフは、冷えた体を温めてくれました。


  今回のアニマルトラッキングでは、カモシカの森の生活の様子をたくさん見ることができました。足跡に始まり、糞、食痕など。足跡をたどって行くと、1本の低木の周りに足跡が集中していました。よく見ると、木の芽がカモシカによって食べられたことがよく分かりました。このような生活の痕跡を観察しながら、カモシカの生活の様子を想像し楽しむこともできたのです。カモシカは日本の天然記念物に指定されていますが、最近では植林した若木や樹皮を食べて木を枯らしてしまうことなどから、駆除の対象となってしまう地域も多くなってきています。



目印となるブナの大木の前で記念撮影を。こうして並ぶと、ブナの大きさに改めて驚きます。


  玉原高原のブナ林は、関東でも最大級のブナ林です。東京からでも、2時間程で行ける場所にこんなに素晴らしい森や自然が残されているのです。3月にはネイチャースキーが開催されますので、ぜひ一緒に楽しみませんか。

レポート:津南キャンプ場教室担当 鈴木 英行



無印良品 無印良品キャンプ場 良品計画企業情報
copyright MUJI Campground
最新情報 > アウトドアニュース2003 >