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アウトドア教室レポート2002


MUJIアウトドアクラブ主催
アウトドア教室レポート No.3

教室名: 「スノーシューをはいてアニマルトラッキング」
開催日: 2002年3月17日(日)
実施場所: 玉原高原
講師: 瀧深 徹氏

 当日は天候にも恵まれ、のんびりとブナ林を探索するには絶好の日和になりました。休日で賑わう玉原高原スキーパークを後に、我々は早速ブナ林の中へ。一歩ゲレンデを離れると、人が全くいない別世界です。講師の瀧深徹先生はネイチャースキーガイド歴10年、玉原高原の事ならスミまで知り尽くし、高原の動植物にも詳しくツキノワグマに何度も遭遇しているそうです。今回参加者の皆さんはスノーシューを履くのは初めての方が多く、歩き初めは戸惑っていたものの、慣れてくると歩くスピードも心なしか速くなり雪の感触を楽しむ余裕もでてきました。スノーブーツだけでは足が埋まってしまい歩きにくい場所もサクサク歩けてしまうスノーシューの威力に、皆さんは予想以上に驚かれている様子でした。

 
雪上を快適に歩くことができるスノーシューをしっかり装着して、いざ出発!
 
 しばらく歩くとスキー場の喧噪(けんそう)もなくなり、立ち止まれば頭の上から鳥の声も聞こえてきます。途中、近くでアカゲラが木を突つく音(ドラミング)が聞こえ、その姿も目にする事ができました。小さいながらも林中に響きわたる音は、野生の力強さを感じさせます。林の中にはアカゲラの巣の跡がいたる所にあり、中には、先程まで突ついていたような穴も見ることができました。他にも、ツキノワグマが木に登った爪跡が見られ、その生々しい傷に、もしかしたら今も近くで冬眠しているのではないかと周りを見回してしまいます。瀧深先生のお話では、最近ではこの辺りも人が入るようになり、クマの生息地も年々変わってきているそうです。
     
 
アカゲラたちが作った巣の跡。小さなくちばしで固い木の幹に穴を開ける彼らの力に、思わず感心。   木登りが得意なツキノワグマの爪跡。今は暖かい春を待ちわびながら、どこかでぐっすり眠っているのでしょう。
 
 今回、参加者の皆さんは山歩きに慣れているようで、尾花さん、成瀬さんご夫婦は常に先行して元気に歩かれていました。内藤さんご夫婦は時折立ち止まり、双眼鏡でバードウォッチングを楽しまれていたようです。大和さんは普段はスキーを楽しまれているということで、今回初めてのスノーシューでのんびりとした動植物の観察に、違った雪遊びの楽しみに気付かれたようです。唯一、小学生の参加者、アイちゃんも朝から元気いっぱいで、木の実や小枝集めに夢中、途中に見つけた大きなキノコ(おそらく、サルノコシカケの一種)に興味津々でした。
 
「こんなに採れたよ!」とカメラに向かってポーズするアイちゃん。最初から最後まで元気いっぱいでした。
 
 ブナ平に到着する頃には、皆さんお腹もペコペコです。まずは参加者みんなで協力し、スノーシューで雪を踏み固めて平らにします。そこにスコップで円状の溝を掘れば、手作り食卓の完成。雪のテーブルを囲みながらのにぎやかな昼食になりました。その横に作った雪のキッチンでは、スタッフ特製のキムチ鍋が完成、ひと休みで冷え始めた身体には格別です。
     
 
みんなで協力して作った雪のテーブルを囲んで食べるご飯は最高! ワイワイ楽しい時間を過ごしました。   雪の上でちょっとひと休み。おいしい空気を吸いながら美しい景色を眺めれば、疲れた体も一気に回復!
 
 昼食後は、その名のごとくまっ平らな平原に並ぶブナの原生林をそれぞれ散策します。幸運にも戦後の森林開発から免れ伐採が入ることのなかったこの林には、根周り1mをも越えるブナが並び、四季を通じてその美しい姿を楽しませてくれます。雪の中のトチにもすでに芽吹きを見つける事ができ、すぐそこまで来ている春の気配を感じさせます。
 
まだ雪に覆われる高原で見つけた トチの芽吹き。高原にも少しずつ春の訪れが感じられるようになりました。
 
 今回、動物の生態の跡だけでなく、冬の植物達も観察出来ましたし、スノーシューのノンビリとした雰囲気の中にも急斜面を駆け降りるなどのスリルを味わい、参加された皆様それぞれ、雪遊びを楽しまれたようです。 玉原高原のような美しいブナの生育地域の条件の1つは、多雪地帯にあります。豪雪地として知られる津南キャンプ場内にも美しいブナ林があるんですよ。ご来場の際にはぜひ一声かけてください。こっそり秘密のスポットをお教えしますよ。
レポート:津南キャンプ場・教室担当 末岡寛隆


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