最後の奥千町 (ちょっと早めの大掃除編)
- 2011年11月21日
こんんちは。田中です。
一気に寒くなりましたね。
今日も雪が舞っております。
先日、乗鞍岳中腹の湿原、奥千町(おくせんちょう)にある「奥千町避難小屋」のし尿処理のお手伝いをしてきました。
アウトドア教室「スタッフと行く奥千町トレッキング」教室でもお馴染み、ブログでも何度も紹介している、奥千町避難小屋。
この小屋、避難小屋にしてはとっても立派でちゃんとトイレ付。
とはいってもモチロンそこは山の上。所謂ボットン便所なわけで、定期的に汲み取り作業が必要なんです。
今回は近くの山で工事資材を運搬しているヘリに回収してもらえることになったんですが、ヘリで一気に降ろせることになっても、大変なのはその準備。
3日かけて作業します。
1.役場担当者、汲み取り業者さん、ヘリ会社の方と一緒に現状確認。
2.汲み取り作業
3.ヘリによる回収
と3段階必要なのです。
作業初日は現状確認。
この時、ヘリから吊り下げるための「モッコ」も担ぎ上げます。
いわゆる吊り下げ用の網ですね。
コレがなかなか重いんですね〜。水分含んでたりしたらなおさら肩にズシン!ときます。
小屋まで登ったら、汲み取り業者さんに汲み取り方法をチェックしてもらい・・・
ヘリ会社の担当者から分厚い資料を渡されて、フックの機械の使い方、ヘリとのシグナルによる交信の仕方などのレクチャーを受けます。
ヘリは地上には降りずに空中でホバリングして、地上の「シグナルマン(ヘリと交信する人)」と「フックマン(ヘリのフックに荷物を固定する人)」が荷物を取り付けたら、そのままヘリは山を降りていくのです。
後日、汲み取り作業を完了し、80リットルタンク2つに移し変えられたし尿。
もちろんこの輸送用のタンクも担いで上がってきたのです。
厳重にキッチリと密閉して、漏れ対策もバッチリです。
なんせヘリから吊られている最中に漏れ出したりしたら、も〜大惨事ですから!(笑)
そしてヘリによるピックアップ当日。
モッコにタンク2つを包んでヘリを待ちます。
天気はあいにくの霧。
予定時間をだいぶ過ぎても連絡がきません。
このまま視界が悪くてヘリが飛べなかったら、また小屋まで登って来なきゃかなぁ、なんてちょっとドキドキしながら待ちます。
すると、30分ほど予定から遅れて下から「今から出発!」の連絡が。
5分後・・・
バリバリバリ!と音を立てながらやってきました。
ここまで来ると、ものすごい音と風。
しかも、やって来たのは、あらかじめ聞いてたのとはちがってだいぶ大きなヘリ。
ヘリが真上にくると立っていられないほどです。
シグナルを送り、フックに荷物を固定する作業を行います。
(さすがにここは写真なんか撮ってる余裕なし)
作業が完了し、OKシグナルを送ると、一際ブワッ!と出力を上げてヘリはその場から離れていきました。
その間1分ほど。あっという間でした〜。
小屋の中もキレイに掃除して、これで一足早い大掃除が完了です。
もうすぐこの避難小屋も雪の中。来年の春まで長〜い冬篭りです。
一年間、登山者の安全のためにありがとうございました。
あ、冬の間に一回、スノーボード担いで上がってきてみようかな。。。