日常の色や表示についてのアンケート結果報告
私たちは皆同じように色を見ているのでしょうか?
自分が想像している「青」と言っても隣の人が同じ色を想像しているのでしょうか? 年齢、性別、国籍などの違いによって、もしかすると、その時の気分や体調によっても色の見え方は変わってくるのかもしれません。
そこで今回、無印良品の商品で使われている表示や識別の色について、どのようにお客様が感じられているのか、意図した通りに見ていただけているかどうかについてのアンケートを行いました。アンケートの報告に加え、多くのコメントを頂きましたので合わせてご紹介します。
- 実施期間:
- 2015年11月30日~12月7日
- 回答方法:
- MUJI passport
- 回答者数:
- 34,438人
問1
日常で色の区別がつきにくいと感じたことがありますか?(必須回答)
問2
服の色の組合せがおかしいと言われたことがありますか?(必須回答)
いくら仲が良くても直接言いにくいかもしれません。それぞれのセンスのことはさておき、自分で考えている色や色の組み合わせが、必ずしも皆んなが同じように見えていないのかもしれません。
問3
無印良品の商品で色を間違えて購入してしまったことはありますか?
あるとご回答頂いた中で、特に多かったものや何が原因で間違いが起きやすいかをまとめました。
- ・黒とネイビー、黒と灰色(グレー)の見間違い細い線だと余計に分かりづらくなる。
- ・WEBでの色の見え方実物とWEBページでの色の差を感じる。
- ・光による色の見え方自然光と照明で色の差を感じる。
店舗での色の見え方、WEBページでの色の見え方、自然光での色の見え方に違いが生じるということを、こちらの結果でより感じることができました。
問4
無印良品の商品で操作部の表示が見えづらい、分かりづらいと感じたことはありますか?
操作部の表示ということで、かなり限定された質問だったこともあり、分かりづらいという回答は少ない印象ですが、「ある」とお答え頂いた中で多かったものは家電製品のスイッチやボタン類、その中でも背面や底面にスイッチがあるものが分かりづらいというコメントを頂きました。
問5
無印良品の商品で注意表記が見えづらいと感じたことはありますか?
「ある」とご回答頂いた中で特に多かったのは商品の裏側に記載されているような成分表示や原材料表示などでした。
また、購入時だけでなく、ご使用時にもタグなどの表示を頻繁に確認されているということも分かりました。
- ・色表記後々、黒、ネイビーなどが分からなくなる。
- ・婦人と紳士洗濯物した際に見分けがつきにくくなることがある。
- ・素材についてストレッチ素材、撥水素材、炭酸飲料などパッと見では分からない。
- ・食品(飲料)振ってくださいを開封後に知る。
一方、表示が多すぎるのも困るといったご意見も多く頂きました。より端的に、より分かりやすく表示方法を考える必要がありそうです。
頂いたご意見の中で既に商品化されているものをご紹介します。
・インナーのタグでの素材表記
あたたかさや涼しさを感じるインナーは見た目だけでは分かりづらいので、タグ内に表記をしています。
- コットンウールストレッチあったか
Vネック長袖シャツ
問6
無印良品で使用されている色や表示について何かご意見があればお書きください。
最後に任意回答でコメントを頂いた中から、一部抜粋してご紹介します。
- 環境での見え方の差について
- ・色弱だと店頭の照明条件によってはパッと見て色がはっきりわからないことがある。
- ・ビニールに包まれている商品は照明の反射などで色がわかりにくい場合が多い。
- 商品のサイズ、セットについて
- ・布団のタグにサイズ表記がしてあるといい。カバーを買い換えるのにサイズを忘れている。
- ・商品名に似ているものが多く、違いが分かりづらい。
- ・靴下の左右がバラバラになると分かりにくい。
- 商品の色、識別について
- ・ボールペンの替え芯が分かりづらい。
- 表示について
- ・UD視点で見ると無印の商品は「見えにくい」かもしれないが、単に文字を太く、大きく、色分けなどをして、無印のシンプルなデザインが崩れるのは嫌だ。
- ・化粧水をつける時はいつもコンタクトや眼鏡をつけない裸眼の状態なので、近視だとよけいにわかりづらい。
改善が必要と感じるコメントがある中で、既存の商品で良いコメントを頂けたものもありましたので、紹介させていただきます。
・こどものパジャマ
「まえ」タグは、分かりやすい。
・化粧品のポンプヘッド
カットしなくてはと定規を用意しようと思ったら台紙にメモリが印刷されていて驚き、とても嬉しかった。
スプレーヘッド・トリガータイプ化粧水用
スプレーヘッド 化粧水用
ポンプヘッド 化粧水・乳液用
・白黒反転ステーショナリー
白黒反転の商品は他では見かけない貴重なもの、見やすい。
- 両面目盛の定規 15cm
- 電卓 12桁・黒
アンケートを終えて
短い期間でしたが、本当に多くのご回答を頂き、ありがとうございました。
アンケート結果のグラフだけを見ると、あまりネガティブな印象は無いようにも見えますが、自由回答の中には今後参考にしていきたいポイントが多くあると感じました。特にサイズ、色などの識別表記は購入時だけではなく購入後にも必要とされるのだということがアンケートを通じてより明らかになりました。
そして無印良品としては様々な環境下、様々な商品が並ぶ中で必要な情報を端的にわかりやすく表示するのはもちろん、より※カラーユニバーサルデザインについて考える必要があるのではないかと感じています。
※カラーユニバーサルデザイン
色覚タイプの違いを問わず、より多くの人に利用しやすい製品や施設・建築物、環境、サービス、情報を提供するという考え方を「カラーユニバーサルデザイン(略称CUD」と言います。
(NPO 法人 カラーユニバーサルデザイン機構様HP より)
次回は、昨年NPO 法人カラーユニバーサルデザイン機構様と無印良品有楽町店で行った、CUD 店舗ラウンドについてご紹介します。
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- 2016年1月20日
無印良品のUD活動
多様性とヒント
- 2016年1月20日
無印良品のUD活動
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- 2016年3月9日 日常の色や表示についてのアンケート結果報告
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- 2016年5月18日 カラーユニバーサルデザインとは?
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活動レポート