社会貢献を知ろう!「良品計画社員と学ぶ寄付先団体の活動」第18回
募金券 寄付先団体の皆さんの活動を、良品計画の社員との対談を通してお知らせします。第18回は、きれいな海と、そこに暮らす生き物を守るために活動する環境NGO、JEANさんにお話をおききしました。
- 拾うだけでは解決しない海のゴミ
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ときに越境までする海洋ゴミは、海岸に流れ着くまでに破損したり、劣化したりして海を汚します。誤飲・誤食による海洋生物への被害も後を絶ちません。また、漂着する大量のゴミは景観を損なわせ、その処理は地域の負担にもなります。JEANは、国内外一斉の海岸クリーンアップを呼びかけ、集めたゴミを調査し、ゴミについて知ることで、ゴミを出さない仕組みづくりにつなげています。
プロフィール
JEAN
JEANは、散乱ゴミの調査やクリーンアップを通じて海や川の環境保全を行っている環境NGOです。自ら行動する人を増やしていくことで、環境保全に貢献しようというゆるやかなネットワーク組織として、1990年に活動をスタート。行政や研究機関、海外の国際NGOと連携しながら、海洋ゴミ問題解決に向けて取り組んでいます。
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小島あずささん
一般社団法人JEAN
副代表理事・事務局長東京生まれ。広告制作会社勤務後、日本初のエコバッグの企画販売を行うなど身近な環境問題の一つであるごみ問題に取り組んできた。女性3人でJEANを設立し、20年以上に渡って海洋ごみ問題をテーマに活動を続けている。ごみ拾い以外はインドア派で、読書やクラフト作りが趣味。
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依田徳則
良品計画
生活雑貨部 ファニチャー担当2006年7月、良品計画へ入社。生活雑貨部ファニチャー課へ配属。商品開発の担当として従事。2011年6月より、同ファニチャー課のカテゴリーマネージャーに着任し、商品開発を担当するほか、商品供給や商品勘定業務も責任者として兼務。3児の父親であり、アウトドアが好きな兵庫県民。
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橋本幸恵
良品計画
食品部 調味加工・飲料担当大学にて栄養学を専攻後、食品会社へ入社。商品の品質管理業務に携わった後、2001年良品計画に転職。食品部にて、菓子や飲料などのMD開発担当を経て、現職。主に、レトルトカレーやパスタソースを始めとする調味加工品や製菓材料などの開発を担当。週末は、小学1年生の息子とのお菓子作りが恒例。
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ゴミは国境を越えて流れ着く
小島さん:今日はまず、おふたりにこれを見ていただこうと思って、持ってきました。これ、なんだと思いますか?
依田:ゴミ・・・ですよね。いろいろありますが、どれも海岸に落ちていたものですか?
橋本:どれも劣化しているように見えますね。
小島さん:実はこれ、鳥の胃の中から出てきたゴミなんです。
橋本:え~!全部ですか?ずいぶん大きなものもありますけど・・・。
依田:当然ですが、まったく消化していないですね・・・。いや、言葉を失います・・・。
小島さん:ショックですよね。しかもこれら全部の量が、たった3羽の胃の中にあったんです。コアホウドリという、成鳥が羽を広げると2mほどにもなる大型の海鳥なんですが、そのヒナが、親鳥にえさと間違えて与えられ続けて、胃の中にたまっていったものです。私も現地に行ってびっくりしたのですが、北西ハワイ諸島のミッドウェイには、これが原因で死んでしまい、月日を経て死骸が風化して、胃の中のゴミだけが朽ちずに残っている姿が島のそこかしこに見られます。ミッドウェイは、調査・研究目的のわずかな人間しか住まない、保護された自然の楽園で、それはそれは美しい島です。そこでです。
依田:さらに言葉を失いますが、もしやこれは日本のゴミ・・・。
小島さん:はい。中国のものらしきものもありますが、はっきりと日本のものだとわかるゴミも多いですね。
橋本:日本からは相当距離がありますよね?
小島さん:直線距離で4,000kmあります。
橋本:そこまで流れ着いたゴミを、鳥が間違って食べて・・・。
家庭のゴミが、生き物の命を奪う
小島さん:プラスチックは水に浮きますよね。コアホウドリは海に浮いているものを食べる習性があるんです。本来、イカなどを好んで食べますが、浮遊するものは、全部えさだと思ってしまうらしいです。コアホウドリに限らず、そもそも野生動物は、「ゴミ」を認識できません。 育ちざかりのヒナに、親は一生懸命にえさを運んで、でも、プラスチックは消化しませんから、じきに胃がいっぱいになって、死んでしまうんです。各地で被害を受けている生き物は、鳥以外にも、魚やウミガメ、アザラシなど、いろいろです。誤飲、誤食によるもの、絡まりによるもの、どちらも海洋生物にとっては致命的です。
橋本:衝撃的ですね・・・。
依田:漁具のようなものは海のゴミとして出てきそうですが、いわゆる家庭のゴミが、そんなに遠くまで流れて行っていることが驚きです。
小島さん:ゴミを調査すると、家庭から出るようなゴミが一番多いです。中には医療ゴミなんかも混ざっていて、こちらは不法投棄の可能性が考えられますが、家庭ゴミについては、皆さん不思議に思われるんですよ。だって、ほとんどの人が、ちゃんと分別して、しかるべき場所に捨ててますもんね。
橋本:はい、ちゃんと。
小島さん:そうなんですよ。私も最初は不思議でした。私はいつも、犬の散歩の折に、ゴミ拾いをしていました。国分寺の住宅街で、ほかと比べてマナーの悪い地域ではありません。それなのに、毎日、レジ袋にして2つ3つ分ものゴミが集まります。毎日そんなに多くがポイ捨てされているとは思えませんよね。しかも、納豆とか、マヨネーズとか、食べながら歩くことのない食品の容器が落ちているし、おかしいなぁ、と。それがひょんなきっかけで、わかったんです。ある日、空からお豆腐の容器が落ちて来て。