当日は夜7時ごろからキャンプ場内のサイトでタープを張り、ランタンの明かりを灯して和やかな雰囲気の中で会が開かれました。 10名程のお客様とキャンプ場スタッフとが集い、この地域で昔から伝わる山菜料理の品々が支配人によって調理され、テーブルに並びました。 支配人の若い頃の村の生活やキャンプ場のある子の原高原の様子など興味深い話も飛び出し、お客様と、キャンプ場スタッフとの楽しい交流会となりました。
皆様に新鮮な旬の味を楽しんでいただこうと、支配人をはじめスタッフがキャンプ場周辺で採取した山菜、「うど」「わらび」「ぎぼし」「わさびの葉」と、昔よく食されたという「ひえ」を今回の食材に選びました。この自然の恵を利用した献立は下記5品目です。
・ ひえご飯
・ うどの酢味噌和え
・ わらびのおひたし
・ ぎぼしの和えもの
・ わさびの葉のおひたし
最近では食べる事がなくなったひえご飯。その昔はお米とひえが1:4の割合で炊かれ真っ黒なご飯を食べていたとか。今回は少し食べやすい様に、その逆の割合でお米が4合に対し、ひえを1合入れました。お米のない時代に、仕方なくひえを食べていたのとは違い、大変香ばしく美味しい一品でした。 あわはお餅にいれる機会が多いため、いまだによく見かけますが、ひえは店頭ではなかなか見つけることが出来ませんでした。今回は高根村でひえを作っている方をようやく見つけての一品となりました。
前回もご紹介した「わらび」は、昔から子の原高原で大変多く見られる山菜のひとつです。 その為に昔、高根村では、わらびの粉で商売をする人も多かったそうです。今回ご紹介した食べ方は、この地域特有の調理方法で、 灰をまぶしたわらびに熱湯をかけ、一晩おいたものを流水につけて灰を洗い流し、しょうゆとかつお節でおひたしにします。 「シャリシャリ」とした歯ごたえと、オクラのようなぬめり、新鮮な素材ならではの味わいは、お客様にも大変喜んでいただけました。
「おおばぎぼうし」、別名「うるい」とも呼ばれる「ぎぼし」は、しょうゆ味で食べるのが定番ですが、昔はなかった“マヨネーズ”が結構合う事が新鮮な発見でした。
わさびの葉のおひたしも支配人でしか出せない絶妙な辛さと風味が参加者を唸らせました。
今では、大変めずらしくなったこれらの料理も、この自然に恵まれたキャンプ場周辺の地域ではまだまだ、庶民の味として根強く生きています。 自然と共に生きていく為にも、この恵みが絶えることのないよう大切に守っていきたいものです。 来月の「昔を食べる会」は6月23日を予定しています。 是非ご参加ください。
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