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キャンプ場最新情報 2002 掲載日:2002/05/31

南乗鞍キャンプ場 動植物最新情報 NO.3

 

 南乗鞍キャンプ場は山菜の最盛期を迎えています。前回のフキやワラビに引き続き、今度は新たに「コシアブラ」や「オオバギボウシ」が顔を出しました。そこで今回は、このふたつの山菜の特徴や珍しい用途に加え、おいしい食べ方までをご紹介します。

 
コシアブラ
 
 
 子ノ原高原の点在で見ることができます。旬は5月いっぱいですが、標高が高い登山道の方では6月上旬でも出ています。

 このコシアブラは、タラノメと同じウコギ科に属し、新芽もよく似ています。「アク(苦み)」は少々強いですが、その分旨みがあると言えます。気になる食べ方ですが、新芽をはかまの部分から採取し、天ぷらやおひたしとして食べるのがいいですね。天ぷらなら衣は薄く、または衣をつけずに素揚げにします。少し塩をふりかけて食べても美味いです。

 実は昔から飛騨地方では、コシアブラを好んでは食べてはいなかったのです。飛騨に暮らしている山師の方の話しだと、他県の山師と山へ入った時に、「こいつはタラノメよりも美味いぞ」と新芽を摘んでいたそうです。今では広く知られている山菜なのに、元を探ると面白いですね。

 飛騨地方では、コシアブラの木のことを「ミソの木」と呼んでいます。なぜそう呼ばれるのかは正直定かではありませんが、木がとても柔らかいのでそういう風に呼ばれるようになったかもしれません。また「コンデツ」とも呼ばれ、その柔らかい材質からか下駄を作る材料としても桐の次に重宝されているようです。さらに山で暮らす野生の猿は、この木を先端から食べては冬を越しているらしいのです。
オオバギボウシ
 
 

 高原全体に分布しています。キャンプ場内では C・Dサイトの上に結構出ています。旬は新芽なら5月いっぱい〜6月上旬にかけてです。

 ユリ科に属するこのオオバギボウシは、別名「ウルイ」と呼ばれ、飛騨地方では「ウリッパ」、「ギュッパ」などの名前で知られています。タラノメやワラビ、ゼンマイやフキのように、あまり食することで有名ではありませんが、ギボウシだけを狙って来山される人もあるくらいなのです。

 このギボウシをおひたしなどにして食べると、口の中で「ギュッ、ギュッ」と音が鳴るところから「ギュッパ」と呼ばれるとの話しもあります。新芽を採るなら、タケノコのように細く地面から出てきた頃に採取すると、「アク」も少なく食べることができます。私もこのギボウシのファンです。

 おいしい食べ方としては、まず新芽を湯がいてから冷水で最低でも半日から 1日ほどつけてから適当な長さにカットします。そのままマヨネーズ醤油でパクッといただく。これは本当に最高なのでぜひ一度試していただきたい。生野菜をボイルして食べるように、ギボウシ本来の味を楽しめます。30〜40cmくらいに生長したギボウシの茎を、塩を大さじ2杯ほど入れた鍋の湯の中に入れてゆでて食べるのもおすすめです。後はフキのように煮物にして食べるのも良いですね。

 まだまだ山菜シーズンが続く南乗鞍キャンプ場へぜひご来場いただき、山の恵みの山菜をぜひ味わってみませんか。皆様のご来場をお待ちしております。

 本日(21日)、キャンプ場より乗鞍岳を見入ると、山頂付近がうっすらと白く見えました。この時期なのに山には雪が少々舞い降りたようです。むろん御嶽も同様に…。

 
 
※次回は6月7日(金)にお届けする予定です。

レポート:南乗鞍キャンプ場スタッフ 小林 由和



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