研究テーマ

そうじ道具についてのアンケートレポート

1 そうじ道具についてのアンケートレポート

2009年11月25日(水)~12月6日(日) に実施しましたそうじ道具についてのアンケートに、9,247名の方のご回答をいただきました。たくさんのご参加ありがとうございました。 現代の掃除のニーズを探るべく、以下の3項目にまとめましたのでご報告します。

[1]掃除の頻度と道具の検証について
[2]ナチュラルクリーニングの実態
[3]基礎データ

[1]掃除の頻度と道具の検証

手軽な掃除へのニーズから、床掃除はからふき用モップやフローリングモップ、ふき掃除はハンディーワイパーが求められています。

今回は、本当はあったら便利な道具とは何か、本当に必要な掃除道具とは何かを探るため、みなさんがどんな頻度でどのような掃除道具を使っているかをお聞きしました。
その中で特に家族形態別に分類し、共働きのご家庭や子供のいるご家庭の"忙しい方々"の掃除の実態に注目してみました。

まず始めに、掃除全体の頻度の一覧をご覧ください。

このグラフの中で「床のはき掃除・掃除機」と「室内のふき掃除」について専業主婦世帯と共働き世帯を比較したものが以下になります。

専業主婦世帯と共働き世帯では、専業主婦世帯の方が掃除の頻度が高い傾向にあります。
さらに、専業主婦世帯と共働き世帯について、子供のある/なしの比較をしたものが以下になります。

「床のはき掃除・掃除機」では、毎日掃除をする専業主婦世帯は、子供のいる世帯はいない世帯の1.9倍、共働き世帯でも1.9倍になります。
「室内のふき掃除」でも同様に子供のいる世帯の頻度が多くなっています。

掃除の頻度は子供がいるといないでは大きな差があり、時間の限られた共働き層で子供のいる方の掃除の負担は大きくなります。

次に、道具の使用頻度を検証します。以下をご覧ください。

「床のはき掃除・掃除機」の場合、掃除のたびに毎回使う道具は「横型掃除機」という方が最も多いのですが、その次に多いのが手軽な「フローリングモップ」です。
特に最近のマンションなどの床がフローリングになっていることも要因のひとつかもしれません。

「室内のふき掃除」についても掃除のたびに毎回使う道具は「掃除機で吸いとる」、ついで多いのは「ぞうきん」「ハンディワイパー」です。
「室内のふき掃除」にも掃除機を使う(掃除機で吸いとる:ハンディクリーナーや掃除機のアタッチメントを利用してホコリを吸いとる)というのは興味深い結果です。床から棚などすべてを掃除機でこなす人が多いようです。掃除機の使い方についてもさらに研究する必要がありそうです。

また「はたき」の使用頻度は少なく、「ハンディワイパー」が多いことから、ホコリや汚れをたたいて落とすよりもぬぐってホコリを取る、ホコリを部屋の中に散らさない、手軽、という現代的な傾向が読み取れます。

さらに道具の使用頻度について、同じように家族形態別に差があるのか、子供なし世帯と子供あり世帯を比較し検証してみました。

「床のはき掃除・掃除機」について特に注目したのは、「からふき用モップ」を毎回使う頻度は、子供あり世帯は子供なし世帯の1.8倍です。
「水ぶき用モップ」を使う方の割合も子供あり世帯の方が多く、子供がいるとていねいな床掃除をする割合が増えるようです。
「フローリングモップ」の使用頻度のみ、子供なし世帯が子供あり世帯を上回っていることは、一人暮らしに代表される、床の汚れが少なく、手軽で思いついた時にさっと掃除のできるアイテムの支持が高いことに気づかされます。

同様に「室内のふき掃除」の各アイテムを毎回使う頻度は、すべて子供あり世帯が子供なし世帯を上回っています。

以下、「床のはき掃除・掃除機」について特徴的な点を何点か列挙します。

「床のはき掃除・掃除機」で特徴的な点は「ワックスがけ」を全くしないという方が61.8%と高かったことです。(掃除全体の頻度の一覧参照
床の材質にコーティング処理などがされている、昨今の住宅建材の性能によるのかもしれません。

さらにペットを飼っているかいないかでも、頻度には多く影響しています。

[1]掃除の頻度と道具の検証では、家族形態別の掃除の実態について考えてみました。
共働きでお子様がいる世帯にように忙しい人が増える中、掃除は毎日の家事の基本、やらないわけにはいきませんが、できるだけ合理化していきたい家事です。
今後、フローリングモップやからふき用モップ、ハンディワイパーなどの手軽に使える掃除道具の関心も増え、使われていくことと思われます。

掃除は汚れがたまる前にさっとすればいいとみんな知っていながら、なかなかできないものです。
そのためにも気付いたときにすぐに掃除ができる工夫や、昔ながらの先人の知恵やコツは、現代の合理的な掃除の要望にも多いに役立ちそうです。

フリーコメントでいただいた、他人に教えてあげたい掃除のコツやアイデアをいくつかご紹介します。

  • 収納などが充分にあって、目に見えるところに物を置かず、ただ拭けば済むような状態であれば掃除ははるかに楽だと思う。

    (女性・30代後半・夫婦世帯/共働き)
  • ちょっと高価でもお気に入りの掃除用具で掃除する。掃除用具は取り出しやすい所に収納し、気になったときにすぐに使えるようにするとおっくうにならない。

    (女性・30代後半・夫婦世帯/共働き)
  • お掃除は、掃除しやすい部屋作りから。やはり収納がすっきりしていれば、その分掃除しやすいと思います。出したら片づける、そこからお掃除なのかなーと思ったりします。

    (女性・30代後半・ひとり暮らし)
  • ペーパータオルやカーペットクリーナーなどのセットを家のいろいろな場所に置いています。インテリアに邪魔にならないようにおしゃれな箱に収納し、気が付いたらすぐ拭く、拾い集める。そうすると大変な掃除もせずに部屋が綺麗に保てます。

    (女性・30代前半・夫婦+子供世帯/共働き)
  • 母が、床掃除が楽にできるように、床上のもの、ほとんどにキャスターを取り付けていた。私も、キャスタータイプの家具や小物収納を選んでいる。

    (女性・30代前半・夫婦世帯/共働き)
  • 棕櫚などの小さなほうき(20センチくらい)を各部屋に置いている。気がついたらちょこちょこっと掃除ができるので大きな掃除をしなくて済む。Tシャツ・トレーナーが古くなったら捨てずに適当な大きさに切ってウエスにする。

    (女性・60代)
  • 物を片付けるときは、使う頻度に応じて、しまう工程の回数を考える(よく使う爪切りは引き出しを開けるだけの場所へ(1工程)、あまり使わない封筒などは引き出しを開けて小物入れを取り出してしまう(2工程))。など。

    (女性・30代前半・夫婦世帯/共働き)
  • 床がフローリングになってからほうきとちりとりで掃除するようになった。フローリングモップでは、埃や髪の毛はとれるが食べかすなどの固体まで取ることができなかったが、ほうきなら固体が集められるし、道具を取り出すのもしまうのも簡単で、汚れが気になったら気軽に掃除できるのが気に入っている。

    (女性・30代後半・夫婦+子供世帯/専業主婦)