研究テーマ

新生児肌着のモニター会のご報告 前編

3 新生児肌着のモニター会のご報告 前編

86名のお母さんに実際に使用していただいて、ご意見をいただき、着替えさせるお母さんがどのように感じたかはわかってきました。
でも実際に着替えて、肌着を着ている赤ちゃんが、気持ちがいいと感じているのかは言葉が話せないのでわかりません。

どのようにしたら赤ちゃんが感じている気持ちがいい・悪いを評価できるのか、いろいろ調べたところ、最近の研究で唾液アミラーゼモニターという機器を使えば、赤ちゃんのような話ができない人でも、リラックスをしているのか、ストレスを感じているのかを簡易に評価できることがわかりました。
この唾液アミラーゼモニターを使って、赤ちゃんが着替えによってどの程度ストレスを感じているのか、また現行品と開発中の商品で差があるのかを調べてみたいと考え、実際にお母さんと赤ちゃんに来ていただいて着替えをしていただくモニター会を実施することにしました。

同時にお母さんがどのように着替えをさせているのか、着替え作業の様子をビデオで撮影し、着替えにかかった時間を比較することにしました。

唾液アミラーゼとは?

唾液アミラーゼとは、唾液の中に含まれるアミラーゼという消化酵素です。この唾液中のアミラーゼの量は、興奮状態(交感神経の活動)の強さの目安とされています。

例えば・・・

アミラーゼ分泌量が少ない(数値が低い)
→ストレスがあまりかかっていない状態、リラックスしている状態

アミラーゼ分泌量が多い(数値が高い)
→ストレスが強くかかっている状態

唾液アミラーゼの量とリラックス・ストレス状態の関係

実施概要

  • 実施日:2012年2月14日・15日(2日間)
  • 参加者:86名モニターに参加いただいた方の中から5組のお母さんと赤ちゃん(赤ちゃんの平均月齢5.2ヶ月)
  • モニター会の目的:
  • 1)「新生児のリラックス度」の評価
    →着替え前と後で新生児の唾液アミラーゼを測定して、リラックス度を確認し、現行品と開発品で比較
  • 2)「新生児のリラックス度」の評価
    →コンビ肌着の着替えをしてもらい、かかった時間を計って、現行品と開発品で比較
  • 3)お母さんと開発担当者・研究者との直接のコミュニケーション
  • 評価の条件:赤ちゃんの体調やご機嫌を考慮して、2日間にわたって同じ時刻に来てもらい、1日1枚ずつ評価しました。

当日の流れ

①肌着になって30分間リラックスタイム

②1回目のアミラーゼ測定

③モニターの肌着に着替え
(着替え動作のビデオ撮影)

④2回目のアミラーゼ測定

⑤お母さんアンケート記入

お母さんがアンケートを記入している間や、開発担当者・文化服装学院の先生とお話をしていただいている間は経験豊かなベビーシッターさんに赤ちゃんのお世話をお願いしました。
お母さんも安心して、日頃の子育ての様子やお悩みをお話いただけたようです。

次回は、「新生児肌着のモニター会のご報告 後編」として、今回の唾液アミラーゼの測定の結果をご報告します。