


MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
団地リノベーション完成 ここだけの話 2018
※このレポートは、2018年1月14日に多摩ニュータウン ベルコリーヌ南大沢集会所で行われたトークイベントの模様を採録しています。
- 神村
- 多摩ニュータウン ベルコリーヌ南大沢の取り組みをご説明するにあたり、団地の概要をご紹介します。今年度新規供給するのは、MUJI×UR Plan40、MUJI×UR Plan41の2プランとなります。
多摩ニュータウン ベルコリーヌ南大沢は、70m²を超える大型住戸となっています。今までは、多摩ニュータウン永山や町田山崎団地のような50m²程度の住戸でのリノベーションであったことから、MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクトとしては新たな取り組みとなります。
多摩ニュータウン ベルコリーヌ南大沢は、多摩ニュータウン南大沢エリアの一角にあります。ベルコリーヌはフランス語で「美しい丘」を意味します。印象的な立面は、非常に目を引きます。丘陵地であるため高低差がありますが、ステージ上の階段による処理を行うなど、歩くことが楽しくなる建物計画となっています。


- 神村
- 主な特長として、「ニューストック団地」「都心近郊立地」「緑豊かな環境」「文化的香漂う住空間」「広々とした住戸空間」といったものが挙げられます。また、都心近郊でありながら、緑豊かで、近傍に教育機関もあるなど、学識あふれる街で人気のエリアとなっています。
- 松本
- まずは、MUJI×UR Plan41からご紹介します。間取りを見て頂ければ一目瞭然ですが、これまでのいわゆる田の字プランとは違って、南北に長いプランになっています。また広さも74.89m²という大型住戸となります。

- 松本
- この住戸の課題は、住戸面積に比して赤色の廊下部分の面積が多く、非効率な状況になっていました。今回のリノベーションでは、今まで蓄えてきたノウハウを展開しつつ、長い廊下だった壁にギャラリースペースという新しい提案をしています。これに併せて、閉鎖的だったキッチンをオープンにすることで、ギャラリーと併せて広いキッチン空間とし、空間のムダをなくしました。
実はこのギャラリーの壁は、新しく棚を設置した訳ではありません。もともとあったものを利用してつくられています。
2枚目は正面から見た写真です。この奥に手洗いとトイレがあります。ギャラリーには、お気に入りの本や雑誌を置いたり、子供の学校での作品や写真、絵本、DMなどを置くことで、日常の生活を豊かにしてくれます。おおよそA4サイズであれば、このマスに入るので、煩雑になりがちなものがきれいに納まって見えます。


- 松本
- 扉を開けると、開放的なリビング・ダイニング空間が広がっています。もともと和室だった部分は引き違いだけの小さな入口しかなかったので、壁全体を撤去して、南面間口いっぱいに広がるリビング・ダイニングとしました。団地とは思えないモダンな雰囲気になっています。
ちなみに床は、ラワン合板を使用したフローリングですが、これもMUJI×UR 団地リノベーションプロジェクトで開発されたパーツになります。


- 松本
- 玄関です。廊下とキッチンをつなげたため、玄関の冷気がダイレクトに部屋に伝わらないよう、玄関をふすまで閉じられるようにしました。3枚の透過性のある半透明ふすまを使用していますが、これもまた後ほどご紹介したいと思います。2枚目の写真は、北側の2つの居室です。この間の壁は木軸でできているので撤去も可能でしたが、ファミリー層を考慮して2寝室つくれるよう壁を残しました。既存を残すということは、一番のコストダウンになります。


MUJI×UR Plan40 ギャラリーとアトリエのある暮らし。
- 松本
- MUJI×UR Plan40は、78.58m²です。こちらも同じように、これまでのいわゆる田の字プランとは違って、南北に長いプランになっていて、長い廊下が課題となっていました。
先ほどよりさらに広いこちらのプランでは、これまでと全く真逆なことに挑戦をしました。これまでは、ふすまをなくす、壁をとる、空間をつなげる、ということが多かったのですが、今回は大型住戸に対して、空間を仕切ることで新たな魅力ある住戸をつくり上げるという挑戦です。
キッチンは先ほどと同じように、長い廊下とつなげて、ギャラリーと併せて広いキッチン空間とし、空間のムダをなくしました。広いダイニングにはインナーバルコニーを設け、明るい物干スペースとしてもグリーンを育てる空間としても活用できる、暖かいサンルームのような空間ができました。
北側の和室8畳+床の間空間には、バルコニー側にアトリエ空間を設け、趣味の空間やワークスペースとして活用できるようにしました。このように大型住戸に緩い仕切りを入れることで、家族が繋がりを感じながらも、個々の生活を楽しむ新しい生活空間ができあがりました。

- 松本
- まず、玄関を入って正面が、キッチンとギャラリースペースです。長い廊下とキッチンをつなげることで、このような広いキッチン空間が実現できています。先ほどは壁向きにキッチンを設置しましたが、こちらはアイランドキッチンになっています。
ギャラリーのアートを見ながら調理ができますし、子供が自分の部屋に行くには必ずキッチンの前を通らないと行けないので、家族の気配を感じながら家事ができると思います。
ちなみに先ほどの床はラワン合板でしたが、こちらの床はヒノキの合板になります。ラワンよりも明るく柔らかい雰囲気になります。


- 松本
- キッチンからリビングをみています。奥側に南面のインナーバルコニーがあり、そこを介して明るい暖かい陽が届いて、非常に明るいキッチンになりました。
インナーテラスとダイニングの境目ですが、実は壁はありません。小天井と呼ばれる板のみ設置されていて、それを利用してシェルフを設置してゆるやかに空間を間仕切ります。床は、インナーテラス側は、白シートで床壁天井真っ白い空間となりとても明るいです。


- 松本
- リビングと和室が一体的につながることで、更に明るい空間が生まれています。


- 松本
- 洗面は機能だけのシンプルなデザインとなっています。また、ユニットバスも新しく交換しています。白を基調としたシンプルなデザインです。

