MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
団地リノベーション完成 ここだけの話 2018

※このレポートは、2018年1月14日に多摩ニュータウン ベルコリーヌ南大沢集会所で行われたトークイベントの模様を採録しています。

仕様・施工について
神村
ここからは、最初の住戸ができあがるまでの現場での苦労話などをご紹介します。
施工・キッチンまわり
松本
まずは、キッチンまわりの施工です。まずキッチン、フードを撤去し、下地の状況確認をします。基本的な設備撤去後、仕上げとして何を残し、何を変えていくか現地で議論します。既存の配管ルートを確認の上、できるだけ床は残したまま、配管をどうするかなど施工者と共に確認をしていきます。

キッチン撤去

撤去範囲確認

床撤去範囲確認

松本
キッチン下地や、床下地の状況も確認しながら、何を残していくか議論していきます。
その結果、このようなキッチン空間ができあがります。


廊下壁の解体と壁の塗装
松本
今回の大きな挑戦であるギャラリー部分の工事です。まずは壁の石膏ボードを外し、下地材の状況確認をします。施工者は丁寧に石膏ボードを剥がしてくれ、非常に良質な状態で下地材が見えてきました。見えなかった部分が見えてくる中で、見せるものと隠すものの確認をしていきます。奥行などを確認し、すべり止めとなる木を新しく設置することで、ギャラリースペースとして、生まれ変わりました。下地の上に白塗装を載せていきます。このように白くなるまで状況により、4回以上の重ね塗りを進めていきます。

BEFORE

松本
このように明るい廊下に変わりました


床の間
松本
木部の表しもいろいろ検討しています。敷居、鴨居(かもい)、長押(なげし)や、木製仕上げの壁、建具が該当部分となります。若い木材なら、それほど影響はでないのですが、築40年近くになりますから、木部も日焼けや経年変化をしています。その結果、木のアクが表面上にあり、白色塗装をすると浮き出てしまう傾向がありました。それが浮き出てこないように、(きれいな白色になるまで)何度も重ね塗りを行っています。
また、部分的ですが塗装をしない木部もあることから、どこまで残してどこまで塗装するか、などについては、皆で現場へ行き、実際の状況をみながら、一番良いデザインテイストとなるように数回の調整をしました。
松本
中央の押入れを中心として、床の間が空間に表情を与えてくれています。


寝室とアトリエスペース
松本
MUJI×UR Plan40のアトリエスペースはもともと和室でした。
広い和室にあえて仕切りを設けることで、安心できる空間ができあがりました。

Before

After



廊下・キッチン
松本
キッチンは壁で仕切られ、キッチンと廊下が暗く狭く分断されていました。
仕切りの壁を撤去し、廊下とキッチンを一体的にすることで明るい南北に通じる、明るい空間を生みだしています。

Before

After



内装仕上げ
松本
MUJI×UR Plan40は、開放面が多く、使いづらいリビング・ダイニングでした。
小天井と床仕上げを変えることで、優しく空間を仕切り、家族の距離が近づく空間としました。

Before

After



MUJI×UR共同開発パーツ
松本
ここからは、MUJI×UR共同開発パーツについて説明します。URと無印良品はこのプロジェクトでリノベーションに使うことができるパーツを共同開発しています。
合板フローリング
松本
今年開発された、合板フローリングをご紹介します。
ラワン合板フローリングは、合板フローリングの突板を排除しラワン合板そのままで仕上げました。30cm×180cmの大判サイズでUV塗装が施されています。
ヒノキの合板フローリングでは、純国産ヒノキ材、杉材を使用した複合合板をフローリングに仕上げました。30cm×180cmの大判サイズで、無垢材にみられるような反りがありません。

ラワン合板フローリング

ヒノキ合板フローリング

松本
一般的な合板(複合)フローリングとは、もっとも多く使われているフローリング材です。
薄い板を接着剤で張り合わせて12~15mm程度の板にし、その表面に木目を印刷した合成樹脂のシートや、薄く削いだ天然木の薄い板を貼った床材です。何枚もの板を張り合わせているので、湿度や温度の変化による反りや伸び、縮みなどが少なく、施工がしやすいのが特徴です。