MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「住まいレポーターと確かめる団地の魅力」

※このレポートは、2019年1月14日に無印良品 グランフロント大阪 Open MUJIで行われたトークイベントの模様を採録しています。

プロジェクトの魅力と要点
豊田
MUJI×URにおける魅力は、「古さ」、「陽当りと風通し」、「73万戸」、という3点です。
まず「古さ」は、課題と捉えて終わらせず、魅力として生かすことにしました。次に、団地はもともと「陽当りと風通し」を重視した建築がなされていますので、その特長をより生かせるリノベーションの設計を考えました。そして、国内に「73万戸」という団地の規模感から、新たなスタンダードを展開できる基盤がある点も魅力だと考えました。

このプロジェクトを進めるうえで重要となるのは、「生かす、変える、自由にできる」という3点です。
まず「生かす」について。写真は、リノベーション前と後の住戸です。このように、もともとあった柱や鴨居、敷居などを積極的に生かすことにしました。押し入れも全部撤去するのではなく、リビングの延長線上として使えるようにリノベーションを行いました。
Before
After「MUJI×UR Plan 01
Before
After「MUJI×UR Plan 11
豊田
次に「変える」について。快適な暮らしという観点から、変えるべきところは変えていきました。
例えば、MUJIとURが共同開発した持出しキッチンです。収納のないシンプルなキッチンを取り付けることで、暮らす人が自身にあった収納スタイルを自由にカスタマイズできるようにしました。
豊田
また、団地は和室が非常に多く、それらをフローリングに変えるとコストがかかり、遮音性も悪くなってしまいます。そこで、MUJIとURで共同開発した麻畳を取り付けることにしました。畳の表面を麻でコーティングすることで、ベッドやソファーを置くことのできる丈夫なつくりを実現しています。
豊田
そして「自由にできる」について。写真は、組合せキッチンというものです。キッチン台の真横・真正面・L字など、好みの方向にテーブルを配置することができ、住む人が暮らしに合わせてさまざまな使い方ができる余地を残しています。
豊田
さらに、MUJIが開発した「小天井」もあります。天井の一部に板を取り付けることで、突っ張り棒を用いて、間仕切りや棚を増やすことができるというものです。単に吊り下げ棚として使用し、室内を広く使うこともできます。
他に、ダンボールふすまというオリジナル商品も開発しています。