


MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「住まいレポーターと確かめる団地の魅力」
※このレポートは、2019年1月14日に無印良品 グランフロント大阪 Open MUJIで行われたトークイベントの模様を採録しています。
- 豊田
- 事前にみなさまからアーリーとトーリーに向けた質問をお寄せいただきましたので、その中からいくつか質問したいと思います。
それでは、アーリーから。団地に住んでみた印象はどうですか? - アーリー
- やはり環境がとても良いですね。明るく、風通しが良く、夜は虫の声が聞こえるくらい穏やかです。
- 豊田
- いままではどういったところに住んでいましたか?
- アーリー
- 一軒家やアパートに住んでいました。団地に住んだのはこの企画が初めてです。アパートだと隣の建物との距離が近く、圧迫感が強いのですが、団地はそういったことがないので快適ですね。
- 豊田
- お部屋探しで大事にしていることはありますか?
- アーリー
- 広さです。その点、MUJI×URの部屋は本当に申し分ないです。間仕切りが少なく、部屋全体がひと続きになっているので、暮らし心地がとても良いです。
また陽当たりも大事ですね。太陽の光が注ぎ込むため、冬も暖かいですし、室内が明るいと気分も前向きになります。 - 豊田
- 地域の方々との関わりはどうでしたか?
- アーリー
- 大阪の新千里東町団地では、地域のみんなで清掃作業として周辺の竹林に入り、一斉に間引き作業をするという日がありました。子どもからおじいちゃんやおばあちゃんまで集まって楽しかったです。同時に、この地域で暮らす人々の顔が認識し合える良い機会となり、暮らしの安心感が増しました。ちなみに、タケノコは持ち帰ってOKだったので、家で美味しくいただきました。


- アーリー
- 神戸の落合団地では、ちょうど僕が引っ越したころから、フリーマーケットのイベントが始まりました。
この団地には自治会がなく、地域の人々が交流できる機会をつくろうと自主的に行ったものでした。当日は大勢の方で賑わい、高そうなお皿が100円で販売されていたり、生協のトラックが野菜を販売していたりしました。そこで偶然、同じ団地に住むMUJI×URの入居者さんと出会って、その後、お部屋に遊びに行かせていただきました。 - 豊田
- さっきお話にあった「MUJI SUPPORTくらしの収納相談」について、もう少しお聞かせください。
- アーリー
- 相談に行くまで頭の中がごちゃごちゃになっていたので、思考そのものが整理されていく感じが良かったです。事前に寸法を計っていったので、窓口でスムーズに会話が進みました。3Dで図面をつくってくださり、一度相談に行っただけでも、かなりクリアになりました。
- 豊田
- では、続いてトーリー。団地の印象はいかがでしたか?
- トーリー
- 物価の高い東京でも、団地ならではの広々とした住棟間隔が守られていて驚きました。団地周辺にスーパーが多く、駅からスーパーに寄って帰宅するという利便性の高さはありがたかったです。
- 豊田
- いままではどんな場所に住んでいましたか?
- トーリー
- アパートに住んだことがあります。そのときと比較すると、リビング・ダイニング・寝室といった具合に用途によってスペースが分かれいているためか、生活リズムが規則正しくなりました。
最後に
- 豊田
- 団地の使い方について、トーリーからURさんに何かご提案があるそうですね。
- トーリー
- 団地はお手頃な家賃が多い印象ですが、それでも東京は高いと感じています。
いま住んでいる光ヶ丘パークタウン・ゆりの木通り北団地の家賃は、落合団地の約2倍です。なので、住みながら新しい仕事が生まれ、東京でも団地なら住みやすいといった仕組みがつくれたらいいなと思っています。
例えば、掃除をしたり地域のイベントをお手伝いしたりすると家賃が安くなるとか。そうやって生活と仕事が組み合わされば、家賃に対するプレッシャーが軽減されるかなと考えています。 - 豊田
- 田宮さんとしては、こういった仕組みはいかがですか?
- 田宮
- 実は私たちも、未来に向けていろいろな機能を持った団地の在り方を検討し始めています。
もともと高度成長期の団地は、しいて言えば日本の暮らしを整理しようという観点で生まれました。ダイニングと寝室を分ける整理、生活と職場を分ける整理、それらを進めることでより快適な日本の暮らしをつくろうと取り組んできました。
しかし、暮らし方が多様化してきたいまの時代に必要なのは、緩やかな境目ではないかと考えています。MUJI×URで室内の間仕切りを積極的に取り除いたり、見せる収納を取り入れたりしているのも、そういった思いが念頭にあるためです。
また、共用部分でも、先ほどご紹介したように、団地内の無印良品店舗との連携や、防犯イベントとしてのキャンプもそうですし、東京の南大沢ですが、集会所をシェアキッチンにして、近隣の大学生たちに運営に関わっていただいたり、少しずつではありますが、住む以外の機能を増やしていけたらと取り組み始めています。 - 豊田
- では最後に、田宮さんからお二人に向けてご質問はありますか?
- 田宮
- 団地に住むことを検討している方へ、ぜひメッセージをお願いいたします。
- トーリー
- 団地は高齢の方々が多いという印象があるかもしれませんが、実は最近、若い方が多くなっています。子どもたちもいっぱいいて、とても賑やかです。
また、住棟間隔が広いので陽当たりが良く、さらに南向きかつ扉や窓の多いお部屋を選べば、なおさら快適だと思います。
MUJI×URの住戸は、好みに合わせていろいろカスタマイズできるので、暮らしをより楽しんでいただけると思います。
また、エレベーターのない団地の最上階は、運動が習慣化されます。ただ、1階に降りて自転車の鍵を忘れたことに気付いたときは「もういいや、歩いていこう」と諦めることはあります。しかし、最上階で自分の上に誰も住んでいないという気楽さは、おすすめしたいメリットではあります。 - アーリー
- 周囲の環境が良く、丁寧な暮らしを送れる場所だと思います。人として豊かな生活が送れるので、気持ちにも余裕が生まれやすいです。一生住むと気負わず、まずはお試し感覚で団地暮らしを始めてみると良いかもしれません。そうすれば、自分の暮らし方・住み方の幅が広がるんじゃないかな。僕がモニターを体験して実感していることです。
- 田宮
- そうですね、おっしゃる通り。賃貸ですのでトライする感覚で団地に住んでいただければと思いますし、MUJI×URがきっかけになったら良いなと思います。お二人ともありがとうございました。
- 豊田
- 今後もMUJI×URでは、公式サイトよりコラムや記事などで情報を発信していきます。
また、より良い商品開発に向けてアンケートも実施していますので、ぜひご協力いただけましたら幸いです。
先ほどご紹介のあったシェアキッチンのお話も「もしも団地の集会室をキッチンスタジオにできたら」というコラムからアイデアが始まり、アンケート結果から反響が大きいことがわかったため、いただいたご意見をふまえ、シェアキッチンとして実現しました。
このような新しい展開につながっていきますので、公式サイトやメールなどでアンケートを見かけた際には、ぜひお答えくださいませ。
以上をもって、イベントを終了させていただきます。ご静聴をくださり、誠にありがとうございました。