MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
団地リノベーション完成 ここだけの話 2015

※このレポートは、2015年1月8日に3*3Laboで行われた、パネルディスカッション式のトークイベントを採録しています。

中田
真砂第一・真砂第二団地

千葉エリアを担当しております、UR都市機構の中田です。
真砂第一団地・第二団地は、千葉市美浜区にあります。最寄り駅は京葉線検見川浜駅で、東京駅まで快速で最速32分、千葉駅にも千葉みなと駅または蘇我駅乗り換えで20分足らずと交通の便がよい場所です。
この辺りは海浜ニュータウンと呼ばれるエリアで、昨年(2014)5月の団地再生リレートークでご登壇いただいた千葉大鈴木准教授が活動されているエリアの一角となります。
広大な埋立地で駅から海まで約1.5kmもあり、海辺という雰囲気はあまりありません。 駅から徒歩5分、商業施設、区役所などの公共施設が徒歩圏で、近くに公園も多く、良好な生活環境が整っています。

どちらの団地も高層の建物が主体となっています。第一団地では、5年前から数年かけて建物の外壁修繕を進め、エントランスの改修や屋外整備もあわせて実施しました。
中田
真砂第二団地は第一団地に比べるとコンパクトです。団地の南側に京葉線が通っていますが、南側に高い建物がないので、線路沿いの住棟の上階からはよい眺めが広がっています。天気がよければ東京湾、富士山も見えます。現在外壁修繕中で、第一団地と同じ白系統の外装色となる予定です。
中田
今回リノベーションの対象とした住戸は、真砂第一・第二団地とも同じ8階建てスキップフロア住棟の2DKタイプです。2DKの中でも専有面積40.64m²とコンパクトな間取りです。
MUJI×UR Plan 15は「大きなダイニングキッチンを持つ。」というコンセプトで、バルコニー側のダイニングキッチンと続き間の和室を一室化し、中央部分にアイランド形式で組合せキッチンを配置しています。
中田
バルコニーに向けて置かれた組合せキッチンがあり、窓に向いて、自然を感じながら料理と食事ができます。眺望のよい5~8階の高層階に設定しています。
中田
床はグレーの長尺シートで、今年度から始めた新しい仕様となっています。

組合せキッチンのテーブルはレイアウトを自由に変更できます。一体的な空間なのでホームパーティーなども楽しめると思います。
中田
真砂の2つの団地でも、新開発の半透明ふすまを使用しています。既存の型ガラスとの相性も良いです。

MUJI×UR Plan 16は、新しい共同開発パーツの「持出しキッチン」を導入したプランで、1~4階の低層階に設定しています。
中田
キッチン背面の小天井を活かし、モデルルームではユニットシェルフを置いて、キッチンとリビングダイニングの空間をゆるやかに仕切っています。このキッチンの写真は、ポスターやリーフレットでメイン写真として使っていただきました。
中田
麻畳のリビングは、さまざまな暮らし方にフィットします。モデルルームでは床でもくつろげるスタイルを提示しています。
中田
リビングの押入れスペースは建具を取り、モデルルームではデスクとチェアを入れて書斎風にしています。
中田
これが、真砂のプランで検討課題となった玄関ホールです。
中田
上の写真は玄関ホールから寝室側を見たところです。もとのプランでは正面右の壁がなく、脱衣室が玄関に直接面している状態でした。ここを壁で仕切って、脱衣室には寝室側から入るよう改良しました。
中田
玄関を入った正面ダイニングキッチン側にむき出しで置かれている洗面台も改良ポイントでした。洗面を寝室側に持っていく案などいろいろ検討を重ねました。洗濯機置場をバルコニー側に持っていき、脱衣室に洗面化粧台を置く案もありましたが、高層の建物になると排水管の容量の制約が大きく、実現しませんでした。最終的には、リビングの収納を半分つぶして、洗面化粧台を奥に入れ込んだ案がMUJI×UR Plan 15となりました。
元の壁面の上部を残してカーテンレールを埋め込み、目隠しできるようにしています。

玄関ホールは構造躯体との関係もあって、少し広い、悪く言えば間延びした空間になっていたので、ここをうまく活用したいという意向もありました。そこで、MUJI×UR Plan 15の特長であるホームパーティもできるような広いリビングを活かすため、大勢の来客に対応できるよう玄関の土間を拡げました。
また、床仕上げをリビングと同じグレーの長尺シートとして、戸を開け放したときにリビングと一体感が出るようにしました。
中田
MUJI×UR Plan 16の洗面化粧台は最終的にもとの位置のままとしました。見ばえのよい設備機器を使っていることもあり、これはこれで好印象と思います。
豊田
真砂団地の魅力は風景です。特に高層の階からは海が見えるので、積極的に外が見えるようにということで、外向きのキッチンにしたのがMUJI×UR Plan 15です。また、40.64m²というコンパクトな大きさなので、一つ特徴を出した方がより魅力的では、ということで、単身もしくは2人暮らしまでと割り切って設計しました。
可能になったのが、まるでホテルのような動線。寝室から浴室にはいるアプローチ。2人暮らしならこういうスタイルもありだろうと考えました。
川内
MUJI×URプロジェクトでは3年間で19プラン設計してきましたが、その中でも最小サイズのプランです。壁を取ることはあっても、壁を新たなにつけたことはなかったので、新たな取り組みでした。

本日はお忙しい中お越しいただきありがとうございました。