研究テーマ

こども自転車試乗会報告

4 こども自転車試乗会報告

無印良品のこども用自転車の歴史を振り返ると、16型こども自転車は27年、三輪車は25年ものご愛顧をいただいています。基本機能を押さえたシンプルなデザインで時代を超えて支持されてきましたが、先般行ったアンケートより、こどもの成長に合わせた車選びのニーズが変わってきていることがわかりました。
そこでこの度、16型を中心に適応身長や操作性を改めて見直し、さらに長く愛されるこども用自転車を目指すことになりました。今回ご報告しますのは、新型試作車の試乗会の様子です。

お子さまの成長に合わせてどのような車を選んでいるのでしょうか

現在のこども車ラインナップ

  三輪車押し棒付 12型こども自転車押し棒付 16型こども自転車 22型こども自転車
乗車適応身長 83~103cm 80~105cm 100~115cm 130cm以上
現ラインナップ

先にご報告しましたアンケート(回答数640)によると、こどもに最初に与える車は、乗用玩具という人が過半数です。3歳くらいになるとペダルを自分で漕ぐことができるようになるため、2台目として半数の方が三輪車を買い与えています。三輪車の次は12~14型よりも大きめの16~18型のこども自転車を購入する人が多くなりますが、これは、1台でなるべく長く乗れるものをという要望が高いためでしょう。
このような現状を踏まえ、これまでの16型自転車の適応身長を広げ、なるべく長く乗れるこども用自転車の開発という点に焦点を当てました。

適応身長を広げた試作車ができました

  • 12型こども自転車押し棒付 16型こども自転車
    80~105cm 100~115cm

    95~125cm

    前輪14インチ後輪16インチ
  • 左の図をご覧ください。現在発売中の12型は適応身長が80~105cm、16型は100~115cmですが、新型試作車はこの2台を統合した感じで、適応身長を95~125cmと広げたのが特徴です。そのために後輪を16型、前輪を14型にし、サドルやハンドルの高さの幅も広げ、より長く乗れるこども自転車を目指しています。95cm以下のお子様には三輪車を見直し、対応していきます。

社内で、試乗会を開きました

  • 身長95cm~127cmの子供とその親、12組に集まってもらいました。当日はあいにくの雨で、屋内での試乗会でした。
    子供たちには、新型試作車と、現在販売中の自転車を自由に乗り比べてもらい、その様子を観察して、ちゃんと乗れているか、倒しても自分で起こせるか、他に問題はないか、等々、親が評価する方法をとりました。

95cm~127cmの子供たちがこの試作車にちゃんと乗れたかどうか試乗会の様子を一部ご紹介します。

現在発売中の16型

  • 95cm(3歳8か月)、普段は3輪車に乗っています。 今回の試乗会では現行の12型と16型、さらに新型試作車の14+16型の計3台を乗り比べてもらいました。現行品の16型は適応身長が100cmですので足がつま先立ちになっていますが、新型試作車は適応身長が95cmで、足がちゃんと付いています。また12型より新型試作車の方がペダルが軽くこげたようで、にこにこと楽しそうに乗っていました。 サドル、ハンドルを簡単に調節できると兄弟の乗りわけができて良いという要望が出されました。

新型試作車の14+16型

現在発売中の12型

  • 104cm4歳7か月。普段は12型に乗っています。 新型試乗車のサドルの角度の問題か、お尻の安定(すわり)がよくありません。
    また、小さい子が乗り始める時は押し棒が欲しいという要望が出ました。

新型試作車の14+16型

現在発売中の16型

  • 127cmもうすぐ10歳です。普段は16型に乗っています。 新型試作車の補助輪をはずしてサドルをいっぱいに上げれば無理なく乗れます。現行の商品よりサドルとハンドルの位置がよく、乗りやすいという評価です。ただ、そろそろ次の大きさの自転車に乗り継ぎを考える時期。乗りやすいVフレームの20型の試作車にも乗ってもらいました。スムーズに乗れています。
  • 新型試作車の14+16型

  • 新型試作車の20型

試乗会の結果から

今回の試乗会の結果から、適応身長の子どもは無理なく乗れ、新型試作車の適応身長を広げる設計の方向は間違っていないことがつかめました。一方、乗り心地や操作性でまだ課題があるということもわかりました。また、乗り始めなどには、押し棒も必要になりそうです。さらに改良を重ね、より多くのお客様に支持していただける定番車を目指していきます。進捗状況はまたご報告してまいります。どうぞご期待ください。