MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「団地リノベーションの部屋に暮らす」

※このレポートは、2013年10月5日に無印良品の家グランフロント大阪家センターで行われた、パネルディスカッション式のトークイベントを採録しています。

豊田
Tさん、ありがとうございました。
お二方のほかにも、第1期で入居した方の声を何人かご紹介します。

まず一人目は、新千里西町団地に暮らす方です。照明はご自身で購入された物を使っています。
鴨居については、マンガを並べて置いています。
豊田
奥には、ご主人が趣味でDJをやっているということで、DJブースが置かれています。鴨居にはスピーカーが置かれています。手前がリビングです。
豊田
カーテンレールをきれいに取り付けるために奥行15センチぐらいの木を取付けています。その上に帽子や時計を置かれています。
豊田
麻畳の上にはラグを敷いて、床にクッションを置かれていました。もと押入れだったスペースにはテレビを設置し、空間を広く使われていました。棚はご自身で材料を買って作られたとのこと。見せ方も上手で、モデルルームのようにキレイに暮らしていらっしゃいます。
長谷川
こちらの方も、この部屋に入居してから物を買うときに吟味するようになったとおっしゃっていました。
豊田
組合せキッチンは対面型で使われています。食事はリビングでされているそうですが、カウンターにはコーヒーメーカーも置かれており、奥行きがあります。後ろに冷蔵庫と洗濯機が背中合わせにして置かれています。
豊田
下駄箱もご自身で材料を買ってきて作られています。正面の窓はすりガラスになっていますが、お風呂の奥の窓から光が差すと、廊下まで明るいという設計がとても気に入っているとのことでした。
長谷川
こちらのお宅では、午前中は電気をつけなくても十分明るいとおっしゃっていましたね。
豊田
次の方のお宅を紹介します。こちらは新千里西町の43平米の部屋です。ダイニングには、ご自身で買われた家具がすっきりと置かれています。
そして「白い壁に陽が差し込んで、棚に置いた植物の陰が映るのが好き」とのことで、棚に置くものを吟味しているとか。素敵ですね。
この方もキッチンは対面型にし、広くスペースを使っています。
豊田
麻畳のスペースには、布団を敷いても良いし、ベッドを置いても良いんです。通常の畳だとベッドの跡が残ってしましますが、麻畳はある程度の固さがあるのでベッドを置いても問題ないですし、違和感もありません。
賃貸に住む方は間取りによって暮らしを合わせないといけないけれど、その制約を少しでも開放したいという想いで実現しました。

鴨居のところにはS字フックをかけて、キッチンの小物を掛けたりしています。
豊田
リビングには、イサム・ノグチのテーブルが置かれています。ここからも、家具へのこだわりをお持ちの方だということがわかりますね。

基本は床座で生活されています。非常に物が少なく、すっきりした印象の部屋です。でも単に物が少ないだけでなく、趣味で集めている物も丁寧に飾られていました。マトリョーシカがかわいいですね。
豊田
ベランダにはウッドデッキがあり、そこに植物を植えて楽しまれています。普段は窓を開け、緑と風を楽しまれているようです。
豊田
キッチンの裏側には洗濯機が。洗濯機の横には家電が並んでいます。
キッチンの後ろに洗濯機を置くという設計は最初受け入れられるか不安でしたが、特に不具合はなさそうです。
豊田
キッチン下の部分にはゴミ箱を入れて、その横に収納をされていました。無印良品の商品もうまく活用して、ご自身の暮らし方に合わせて暮らしをコーディネートされていますね。
長谷川
物を持たない暮らしを考え、私たちなりに提案してきましたが、私たちの想い以上にそのような暮らしを実現されている方がいらっしゃることに驚きました。と同時に、私たちが考えていた方向は間違っていなかったんだと思えることができました。
シンプルな暮らしを団地リノベーションを通して提案できてよかったです。