MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「団地リノベーションの部屋に暮らす」

※このレポートは、2013年10月5日に無印良品の家グランフロント大阪家センターで行われた、パネルディスカッション式のトークイベントを採録しています。

パネリスト:

長谷川 晋一氏

UR都市機構西日本支社。技術の建築職。
設計・工事の担当部門で住戸改修、トータル改修、団地リノベーションの設計や工事に携わり、改修技術だけでなく、UR団地の魅力の再発見や暮らしの提案に興味がある。

パネリスト:

豊田 輝人氏

「無印良品の家」商品開発担当。
無印良品の家を中心に、マンション・戸建分譲・リノベーションなど、無印良品の住空間新プロジェクトにも携わる。

パネリスト:

土谷 貞雄氏

無印良品「くらしの良品研究所」コーディネーター。HOUSE VISION、デベロッパー、家具メーカーなどの業務支援も数社おこなっている。中心となる業務はWEBを活用したアンケートやコミュニケーションの仕組みづくり、コラムの執筆など。

土谷
皆さん、こんにちは。今日はお越しいただきありがとうございます。
実は本日から、MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトの第2期募集が始まりました(※現在は終了しています)。また、プロジェクトは新たな取り組みが進んでいます。
今日はプロジェクトの取り組みを紹介し、さらに第1期募集で入居された方とのインタビューも交えながら、「団地リノベーションの部屋に暮らす」とはどういうことか、どんな暮らしが実現できるのか、皆さんと話していきたいと思っています。よろしくお願いします。
まずはUR長谷川さんより、自己紹介と今回のプロジェクトについてお話いただきましょう。
それでは長谷川さん、よろしくお願いします。
長谷川
こんにちは。UR西日本の長谷川と申します。URでの部署は設計です。
今回の団地リノベーションについて、無印良品の豊田さんと一緒に設計をしてきました。よろしくお願いします。

今回のプロジェクトがどういうものだったのか、ひとことで言うと “団地のもっている様々な可能性を活かして、これまでにない暮らし方を賃貸住宅で実現しようとする試み” です。

MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトを推し進めるにあたり、かなりの人数のメンバーが関わっています。一つの良いものをつくるために、思いを一つにしてやってきました。URとしても、この取り組みから世の中を変えられないかという、少し大きな話になりますが(笑)そのくらいの思いでやってきました。
このプロジェクトを実施するにあたり、無印良品さんと議論する中で、こういうことを実現しようと思ったのが次の3点です。

(1) 団地らしさを大切にする
(2) 壊しすぎず、つくりすぎず
(3) 住み手が自由にできる余地を残す

そしてリノベーションについて、無印良品さんと共有した考え方は
(1) 生かすところ 古いものを新しい価値で見直す
(2) 変えるところ 新しいものを新しい価値で見直す
(3) 住み手が自由にできるところ 住み手が自由にできる余地を残す
という点でした。
長谷川
さて、ここから団地の紹介に入ります。
第2期の対象団地は3つ。間取りは5タイプです。


リバーサイドしろきた (大阪府大阪市都島区)
緑豊かな空間に建っている高層団地です。




泉北茶山台二丁 (大阪府堺市南区)
ここは団地特有の「中層階段室型」です。築45年ほど経っているのですが、この団地には何故か土俵(写真左)があります(笑)。昔誰がどんな意図で作ったのか分かっていないのですが、面白いですよね。




新千里西町 (大阪府豊中市)
周りは分譲やマンションに建て替わっている中、この団地は50年前の面影を残し続けています。