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#04 生産者の皆さんからの声と更なる一歩に向けたお店をオープン

今回は、このプロジェクトに参加している生産者から、皆さんへのメッセージを頂きました。このプロジェクトでは、生産者は技術を習得しつつ実際に商品をつくって、現金収入が入ります。フェルトづくりの「プロフェッショナル」として確実に一歩一歩成長されている生産者の皆さんからの声と、首都のビシケクにて、販売店舗を11月にオープンしたというニュースとなります。

1.ボステリ村のザミラさんより

写真はザミラさんで、キルギス名産のリンゴの畑にて

MUJI×JICAプロジェクトに参加した感想・来年に向けた抱負

フェルト商品を作ることは私にとって喜び・楽しみであり、また、このプロジェクトに参加して得た経験は新鮮で興味深いものでした。MUJI×JICAプロジェクトを通して、私たち生産者グループは高品質な製品を生産するためのノウハウや、国際的な商取引で求められる基準を学びました。
また、個人的にはこの仕事を通して、責任感をもってチーム一丸となって取り組むということを学びました。
MUJI×JICAプロジェクトを通じて与えられた機会や経験にとても満足しています。また同時に来年の新しいデザインの注文と生産作業を楽しみにしています。

皆さんへのメッセージ

キルギスで作ったこのフェルト商品は、余分なものを加えておらずナチュラルできれいです!(フェルトは羊の毛を刈り取り洗い、石けんと水を使い、手でこすって縮じゅうさせることで作られます)
私たちはこの商品に心を込めて作っていますので、たくさんの方にお使いいただけると嬉しいです。この商品を手に取られた皆さんに喜びと楽しみをもたらしてくれるでしょう。またキルギスと皆さんの国との協調と友好がもっと深まると良いと思っています。また来年を楽しみにしています、ありがとうございました。

2.アクサイ村のズーラさんより

写真中央の赤いドレスと白いジャケットを着ている方がズーラさん。生産者とMUJI×JICAメンバーで記念写真です

MUJI×JICAプロジェクトに参加した感想・来年に向けた抱負

今年のMUJ×JICAプロジェクトは、1年目と比べてとても充実したものでした。今年は去年に比べて品質も良く仕上げることができて不良品があまり出ませんでした。また納期に対する責任も忘れないように努力しました。
私たちの商品と私たちのことがインターネットのサイトに掲載され(このMUJI×JICAの連載コラムのことです)、世界中の多くの人々にキルギスのことを知ってもらえて、とても嬉しく誇りに思っています。
MUJI×JICAのプロジェクトの活動は、キルギスの今後の発展と技術改善にとって、よいトレーニングであり、もっと上手になりたいという動機付けになりました。今年は、私たちに続いて同じ村から新しい生産者グループがプロジェクトに参加して、私たちがこれまでに培ったノウハウを伝えて、助け合って生産しました。
村の女性は、すでに来年の注文の生産に向けて準備万端です。

皆さんへのメッセージ

私たちはこの活動から大きな経験、技術、知識を得ました。生産者グループを代表して御礼申し上げます。私たちが丁寧に愛をこめて作ったこの商品を皆さんが気に入ってくれることを願います。

3.クルムドゥ村のゾヤさんより

左から二番目が、ゾヤさんです。同じコミュニティの仲間と共に

MUJI×JICAプロジェクトに参加した感想・来年に向けた抱負

私たちはMUJI×JICAプロジェクトの仕事を振り返ってみて、とてもよかったと思っています。携帯機器ケースとカードケース生産にあたって実施された技術トレーニングはとても有益な機会でした。
また、このプロジェクトは、仕事を持たない村の女性たちにとって、家計を助けるお金を稼ぐという素晴らしい機会を与えてくれました。さらに、このような活動は私たちに、他の地域の生産者グループと交流を持つ機会を与えてくれましたし、私たちの経験や考えを他の仲間と共有する場にもなりました。
来年もこのプロジェクトに喜んで参加したいと思いますし、また、今年の経験を十分に活かして、さらに高品質の商品を完成させたいと思います。

皆さんへのメッセージ

是非、キルギスで作られたこのフェルト商品を手にとってみて下さい。このフェルトの商品を通じて、今後も、皆さんとの末永く充実した協調と友好を願います。ありがとう!

4.皆さんから、今回のプロジェクトにおける現金収入の使い道をヒアリングしてみました

収入使い道(1som=約1.7円)

# CBO 名 使い道
1 スイムク(アクサイ村) MUJIの収入で各メンバーから500ソムを集めました。そしてCBOの活動に必要なものに使う予定です。例えば作業場の壁を塗り替えるための漆喰や買ったり、ペンキを購入して床を塗り替えたりしました。残りはファンドとして必要な時に使う予定です。
メンバーのひとりは大きな畑があるので来年に向けじゃがいもの種を買いました。それは新たな収入を生み出します。他の人は羊を2匹と家具を買ったり、家の修理や首都で勉強する子どもの学費に使ったりしました。
2 トルエネ1"(カシャット村) メンバーそれぞれ使い道が違います。何人かのメンバーは家の改修工事に必要な資材を買いました。別のメンバーは、これから冬が来るので暖かい洋服を子供たちに買ったり、歯の治療費に当てたりしました。
3 セミルアイ(ボステリ村) 収入の一部は以前に借りたクレジットの返済に当てました。残りのお金は家の改修工事の費用に使いました。
4 イーギリック(アクサイ村) 私たちは新しいグループであり、グループのファンドが必要だったため、3000ソムをファンドに当てました。メンバーたちは子どもの教育費に当てたり、洋服や必要なものを買ったりしました
5 デミルゲ(アクサイ村) メンバーの何人かは以前に借りていたマイクロクレジットの返済に使いました。ほかのメンバーは洗濯機や、ストーブなど買いました。メンバーのうちのひとりは子供の手術費用に当てました。
6 エルアイウム
(チョルポンアタ)
CBOとして4000ドルを出資し、車を共同購入しました。この車を利用し、地域のCBOが必要な羊毛を運んだり、出来上がった商品を回収したり、トレーニングのためにほかのCBOを訪問することに利用するつもりです。明日はちょうトルエネジャーマットでスリッパのつくり方トレーニングをする予定で、私たちはこの車で現地まで行きます。私たちはロシアからスリッパの大量注文を受けており、それはMUJIの共同生産のようになるでしょう。私たちはそれをみんなで協力して完成させます、なぜなら ひとつのグループではできることではありませんから。
7 シャルシェーバさん
(カラオイ村)
私たちは質の良いウールを生み出してくれる羊を買いました。近い将来自分たちでウールを生産するために羊を飼育するこの活動を続け、発展させたいです。

お知らせ

1.2012年10月7日に、「グローバルフェスタ(※1)」という国際協力イベントに、MUJI×JICAプロジェクト担当者も参加し、国際協力に興味のある皆様へプロジェクトの紹介「MUJI×JICAプロジェクト ~クリスマスギフトで村おこし~」で、共同プロジェクトの目的と経緯、実現化に向けて苦労した点の説明、商品紹介を行いました。

2.2012年11月9日に、キルギスの首都ビシュケクにおいて、「一村一品ショップ」がオープンしました。ここでは、一村一品活動で作られた商品を販売し、現金収入を得るためのアンテナショップとして、また売り方・売れ筋分析を行い、売れる商品をつくる為のキルギス一村一品活動の販売拠点そして広報的役割を果たすことが期待されています。 良品計画では、今回のMUJI×JICAプロジェクトで作成した200個のフェルト商品をお客様へプレゼント用に、買い取りこのショップに贈るなど、販売促進の支援をしています。オープン当初には、「MUJI×JICA」プロジェクトについて活動取組みを広く知って頂けるように、パネル展示がなされています。

店内には、MUJI×JICAプロジェクト紹介パネルを貼っています

11月9日オープニング初日の店内

※1 グローバルフェスタ 公式サイト http://www.gfjapan.com/

このコラムはJICAキルギスの協力の下、無印良品のプロジェクトメンバーが書いています。