研究テーマ

「いつものもしも」防災ワークショップ開催

6 「いつものもしも」防災ワークショップ開催

2015年2月28日(土)、3月1日(日)に無印良品とUR都市機構は、同機構が管理する町田山崎団地(東京都町田市)を舞台にしたイベント「DANCHI Caravan」を実施しました。

無印良品は「いつものもしもワークショップ」と、「団地deキャンプ」を企画、運営しました。「いつものもしもワークショップ」では自宅避難を前提とし、被災後に生きのびるための知識や、主に日用品を活用した技を学ぶための6つのプログラムを開発し、協力企業、団体のテントブースと並び、団地内の広場に6つのテントを設置し、参加者に体験していただきました。

災害時には電気やガス、上下水道の復旧に想像以上に時間がかかる事や、十分な救援物資が手に入らない事を、過去の震災の事例を通して紹介しました。
その上で、1週間分の食事とその備蓄法、カセットコンロの必要性、もしもの時の様々な節水の技、トイレについての備え、疎かにしがちな歯磨きの重要性を伝え、実際に様々な技を体験して頂きました。
全国的に団地に住まう方々の高齢化が進んでおり、山崎団地にも多くの高齢者の方がお住まいです。日用品を上手に収納、活用して有事に備える「いつものもしも」は、高齢者を含む災害弱者と呼ばれる方々に対しても寄り添うべき防災のアイデアです。参加いただいた高齢者の方々は、被災後の時間の経過とともに必要になる物をまとめたチェックリストを手に取り、特に災害時のトイレについて高い関心を示していました。

また、備えに必要な物をその場で購入いただくために、「いつものもしも」のコンセプトストアを2日間限定で営業しました。防災用品の収納に限らず、使う場所や用途を選ばない「頑丈収納ボックス」が大変人気でした。

「団地deキャンプ」では、緊急時の屋外生活を想定し、テントでの宿泊体験を含めたキャンプ形式のワークショップを実施しました。事前募集を行い、山崎団地にお住まいの方など8組のご家族に参加いただきました。ワークショップ同様、水や電気が十分にない状況下でいきのびるための技や知恵を、体験を通じて学んで頂きました。
初日の夜には、参加者全員でたき火を囲みました。子供たちは住み慣れた団地の広場でテントを張り、火をおこし、キャンプができる喜びを誰よりも素直に表現していました。就寝後のテントからは子供たちと家族の楽しそうな声が聞こえてきました。

私たちの暮らしの身近なところに、気軽に楽しく防災を学ぶ場、自ら考えるきっかけを作る場づくりが求められていると実感しました。

地震大国と呼ばれる日本で、防災を考えずに安心安全な生活はできない事を、私たちは過去の震災で知らされました。災害への備えは「これだけあれば大丈夫」と言うような、誰かから与えられる絶対的な答えがありません。それは、住む環境や家族の構成、ご自身の体の状態など、様々な条件が個々人で異なるためです。自分の住む場所にはどのような災害のリスクがあり、家族が何人でどのくらいの備えの量が必要なのか。日中に災害がおきたらどのように連絡を取り合うのか、どこに集合するのか。
子供たちも含め、家族で災害の備えについて話し合う時間を、年に1、2度ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。

無印良品では、自宅避難に関する知識や技をまとめた「自宅避難マニュアル」と、「災害時の連絡ルール」の無料ダウンロードサービスを行っています。

[ダウンロードPDF]
地震ITSUMO+無印良品「災害時の連絡ルールと避難マニュアル」(PDF:1.1MB) 監修:NPO法人 プラス・アーツ

お持ちのプリンターでA4用紙に出力し、ガイドに沿ってカットし折り畳むと、財布などに収まるカードサイズになりいつも持ち歩く事ができます。ぜひ、ご活用ください。

[関連サイト]
DANCHI Caravan(当日の様子は3月下旬公開を予定しています)